【RPW】海野vsルシアン・フィリップスはTHE LEGION崩壊への序章か?

【RPW】海野vsルシアン・フィリップスはTHE LEGION崩壊への序章か?

イギリスのレボリューションプロレスリング(RPW)の3.6ロンドン大会では、海野選手がTHE LEGIONのルシアン・フィリップス選手と対戦しました。公開された試合映像とともにレビューをしていきます。

注目のシングルマッチ

この海野翔太vsルシアン・フィリップスのシングルマッチは注目の一戦でした。ルシアン・フィリップス選手はTHE LEGIONのメンバーの一人です。現在のTHE LEGIONはスポット参戦選手を含めると7〜8人は所属していると考えられるのですが、そのほとんどがスポット参戦選手です。レギュラー参戦しているメンバーとしては辻選手(とギデオン・グレイ氏)のみで、その次によく顔を見せるのがこのフィリップス選手です。辻選手はここ最近ではグレイ氏の意向(策略?)により海野選手とタッグを組むことが多いのですが、それ以前の辻選手のタッグパートナーといえばフィリップス選手でした。

そして、グレイ氏の目下の標的は海野選手です。なかなか自分の言うことを聞かずヒールになりきれない辻選手ではなく、才能あふれる海野選手をメンバーに迎えたいという意向が見て取れます。つまり、THE LEGIONのメンバーであるフィリップス選手と、(グレイ氏の気持ちでは)THE LEGIONに入ってほしい海野選手とのシングルマッチということです。

海野vsフィリップスとグレイ氏の動き

THE LEGIONのメンバーが登場する際には、グレイ氏がリングアナウンサーのマイクを奪って自らがコールをしてメンバーを招き入れるというのが常だが、この日も同様にグレイ氏はフィリップス選手を自らのコールで招き入れる。続いて対戦相手の海野選手についてもグレイ氏がコールをする。これにはフィリップス選手は不服そうな表情を見せる。

グレイ氏はいつものようにロープを広げ、海野選手を招き入れようとする。しかし海野選手はそれを嘲笑うかのようにサードロープの下からリングインする。そしてコーナーに登り、観客にアピール。これらはいつものムーブだが、この日のグレイ氏は両選手に気を遣わなければならないのでどことなく落ち着かない様子。

海野選手がいつものように手にしていたピンクのTシャツを会場の子供にプレゼントしようとリング内から観客席を見渡すと、グレイ氏がTシャツをさっと奪い取り、リングサイドの子供にプレゼント。グレイ氏からすると「お手伝いしましたよ」ということで歓心を買おうとするが、海野選手は自らの見せ場を奪われた格好となり、グレイ氏を睨みつける。そしてその姿を見たフィリップス選手もグレイ氏に詰め寄る。

試合開始のゴングが鳴ると、両者は互いのTシャツをアピール。フィリップス選手は黒いTHE LEGIONのTシャツをアピール。海野選手は白のデスライダーTシャツをアピールすると、それを脱ぎ、フィリップス選手に差し出す。フィリップス選手はそれを奪い取り、きちんと畳むとリングサイドのグレイ氏の頭の上にかぶせる。グレイ氏はTシャツの匂いを嗅ぐと、満足そうな表情でスーツの上からTシャツを着込む。

今度は逆にフィリップス選手がTHE LEGIONのTシャツを渡す。海野選手は受け取ったTシャツを一瞥すると、それを踏みつける。これに怒ったフィリップス選手が海野選手に突っ掛かり、試合が本格的に開始する。

試合序盤、ロープに走った海野選手の足をグレイ氏が引っ張ろうとする。海野選手はリング下に降りてグレイ氏に詰め寄るが、フィリップス選手も同様にグレイ氏に対する怒りを表す。

リング内に戻るとフィリップス選手が打撃で有利に立つ。途中、グレイ氏が介入しようとエプロンサイドに上がる。フィリップス選手がグレイ氏に向けて海野選手を振ろうとするが、海野選手は体を入れ替えて逆にフィリップス選手を振り、危うく同士討ちしそうになる。

試合終盤、海野選手がフェイスバスター、旋回式アバランシュホールドからデスライダーを狙うも、これは回避される。逆に強烈なラリアットとパワーボムで海野選手がグロッキー状態に。ここでグレイ氏が再びリングサイドに登り、介入を図る。そしてフィリップス選手が海野選手を振ろうとすると、今度もやはり海野選手が体を入れ替えて逆にフィリップス選手を振り、グレイ氏との同士討ちを誘う。そして間髪入れずに海野選手のデスライダーが決まり、3カウントが入った。

グレイ氏はリング内に戻ると、フィリップス選手を気遣う。そして海野選手を指差し、和解を促す。それが気に食わなかったのか、フィリップス選手は激昂。しかし、フィリップス選手が少し落ち着くと、海野選手に右手を差し出す。海野選手も観客席を見渡しながら右手を前に出し、フィリップス選手との距離を詰める。そして握手を交わすかと思いきや、海野選手はフィリップス選手をスルーしてそのまま退場していった。するとフィリップス選手は再びグレイ氏に詰め寄っていく。グレイ氏は慌ててエスケープすると、フィリップス選手に退場を促す。フィリップス選手は不服そうな表情を見せながらもリングを後にした。

THE LEGIONの今後はどうなる?

THE LEGIONには何人かのサブメンバーはいるものの、現在のところの実動部隊としては辻選手、フィリップス選手、そしてグレイ氏の3人です。これまでフィリップス選手はグレイ氏に忠実に動いていました。辻選手を勧誘する際にも、そして辻選手がメンバーに加入してからも、グレイ氏の意向を受けて辻選手をコントロールしようとしてきました。しかしながら、この試合ではグレイ氏があまりにも海野選手に熱心なことにフィリップス選手が怒りの表情を見せていました。少なくともこの試合の中では両者の心は離れたままとなっています。試合中にグレイ氏がリングサイドに上がって介入しようとしたのも、フィリップス選手が指示をしていたように見えました。しかし、結果的にグレイ氏の攻撃は海野選手に一度もヒットしませんでした。

もしフィリップス選手がTHE LEGIONを離れるようなことがあると、THE LEGIONが一気に崩壊してしまう可能性があります。辻選手もTHE LEGIONに染まろうとする気配すら見せませんし、海野選手も勧誘を受けようとする様子が全くありません。

ところで、RPWの今後の興行予定はでは5月1日、8日、22日となっています。1日には辻陽太vsコナー・ミルズ、海野翔太vsマイケル・オクという試合が組まれています。フィリップス選手の試合はありません。そして22日にはウィル・オスプレイvs鈴木みのるのブリティッシュヘビー級選手権試合が組まれています。新日本プロレスのスケジュールと重ねてみると、5月8日はオフ、22日はBOSJです。アメリカでは5月14日にワシントン、15日にフィラデルフィアで試合があります。つまり、ヘビー級の選手にとっては5月8日と22日は空いている状態です。

THE LEGIONにとって起爆剤となりうるのは、グレート-O-カーン選手の再登場でしょう。オーカーン選手はイギリス時代にこのTHE LEGIONに所属していました。今でもグレイ氏とは良好な関係で、互いに気にかけている状態です。仮にオーカーン選手がRPWに再登場するとなると、気になるのはユナイテッド・エンパイアとの関係です。RPWでもユナイテッド・エンパイアが存在感を増しています。これまで、そして現在の関係性から推測すると、オーカーン選手はTHE LEGION、ましてやグレイ氏と対立する方向にはいかないと思われます。

オーカーン選手がイギリスに登場する時、それはTHE LEGIONとユナイテッド・エンパイアがユニットとして同盟を結ぶ時ではないだろうかと思っています。そしてその時がオーカーン選手の軍門に降るのをよしとしない辻選手がTHE LEGIONを脱退するタイミングではないかと見ています。

このタイミングで辻選手が姿をくらまし、そしてメキシコに謎のヘビー級のマスクマンが登場する・・・そんなことを妄想しつつ、今後のTHE LEGIONの展開にも注目していきたいと思います。

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