【RPW】Epic Encounter(2022年5月22日)

【RPW】Epic Encounter(2022年5月22日)

5月22日にイギリスのRPWの大会、Epic EncounterがロンドンのYork Hallにて開催されました。本来、この日のメインは鈴木みのる vs ウィル・オスプレイのブリティッシュヘビー級選手権試合、そしてRKJ選手はジェフ・コブ選手とシングルマッチを行うことになっていましたが、オスプレイ選手の体調不良並びにコブ選手のケガにより、この両カードは変更となってしまいました。

参戦選手について

RPWの参戦選手については別の記事で紹介していますのでそちらをご参照ください。

【随時更新】RPW参戦選手の紹介

第1試合 ブリティッシュクルーザー級選手権試合 マイケル・オク(c) vs コナー・ミルズ

○マイケル・オク(c) vs ●コナー・ミルズ

普段はDestination Everywhereというタッグチームで活躍している両者がタイトルマッチで激突。このタイトルマッチはミルズ選手のアピールにより組まれることとなった。二人のタッグチームDestination Everywhereではブリティッシュタッグリーグ2021で優勝し、ブリティッシュタッグ王座にもついていた。しかし、オク選手はクルーザー級の絶対王者であることから、どうしてもミルズ選手はオク選手のパートナーという位置付けで見られてしまう。ミルズ選手はこの試合で存在感を見せつけたいところ。

ミルズ選手は試合序盤にカウンターのドロップキックを受けてしまうが、そこから意地を見せていく。打撃に活路を見出し、エルボーで圧倒。オク選手を追い込んでいくが、オク選手はスピードで対抗。ランニングラリアットからミサイルキックで再び互角の状態に持ち直す。会場からはオク選手へのコールが鳴り響く。

試合終盤にかけ、互いの得意技を狙うも切り返す展開が続く。ミルズ選手はオク選手のフィニッシュホールドのハーフボストンクラブだけは喰らわないように抵抗する。

ミルズ選手は2回までハーフボストンクラブをうまく切り返したが、3回目にとうとうこれを食らってしまう。オク選手はものすごい角度で締め上げていくが、 ミルズ選手も必死の形相でなんとかロープエスケープし、意地を見せる。すると、場外エスケープしたミルズ選手に対してオク選手がこの日2回目のブエロ・デ・アギラを狙う。しかしミルズ選手は空中でオク選手を捕らえ、エプロンを利用してのスタナーで追い込む。そしてすかさずオク選手をリング内に入れ、得意の450スプラッシュ。オク選手はなんとかカウント2で肩を上げる。ミルズ選手は攻撃の手を止めずバーニングカッターを披露。この技でオク選手から3カウントを奪った。

大喜びでリングサイドのジョシュア・ジェームズ選手(ヤングライオン的な役割を担っている選手)からベルトを受け取り、勝ち名乗りを受けようとするも、レフェリーはそのベルトを奪う。実はミルズ選手のバーニングカッターを受けたオク選手の右足がロープの外に出ていた。レフェリーはそれに気づかずにカウントを3つ叩いたが、顔を上げた瞬間にオク選手の足が外に出ていることに気づいていた。オク選手はピクリとも動いていないことから、レフェリーは最初から足が出ていたと判断。3カウントを無効にしたのだ。

納得のいかないミルズ選手がオク選手の胸を突く。そして強烈な張り手。感情を露わにしてやり合う。両者のラリアットやハイキックがカウンターで入り、いつ試合が決まってもおかしくない状態が続く。そしてミルズ選手がオク選手をファイヤーマンズキャリーに担ごうとした瞬間、オク選手はミルズ選手の肩に飛び乗り、そこからリバースフランケンシュタイナーを繰り出していく。しかし、ここでアクシデントが起こる。リバースフランケンシュタイナーを仕掛けたオク選手が回転し切る前にリングに落下。胸からえび反り状態で垂直に落下し、そこにミルズ選手の体重が乗り掛かる形となった。オク選手は苦しそうな表情を浮かべながらコーナーまで転がっていき、歯を食いしばりながらフロッグスプラッシュ。しかしこれはミルズ選手がカウント1で跳ね返す。それでもミルズ選手が意地を見せたのはここまで。向かってきたミルズ選手に対し果敢にも再度フランケンシュタイナーを見舞い、オク選手が見事に3カウントを奪った。

試合後、両者はなかなか立ち上がることができない。なんとか立ち上がって勝ち名乗りを受けるオク選手をミルズ選手は呆然と見つめる。一時は勝利を掴んだと思ったミルズ選手のショックは大きい。オク選手が手を差し伸べ健闘を讃えようとするが、ミルズ選手はその手を握ることなくリングを降り、バックステージへと下がっていった。

試合後にマイクを握ったオク選手は、メインで鈴木選手と対戦すると宣言し、会場からは大歓声が湧き上がった。

第2試合 Lykos Gym & Smokin’ Aces vs Sunshine Machine & 辻陽太&海野翔太

この試合は既に別記事で紹介していますので、そちらをご参照ください。

【RPW】ブリティッシュタッグリーグ前哨戦は波乱の幕開け!海野と辻が取った行動は?

第3試合 リッキー・ナイト・ジュニア vs アーロン・ヘナーレ

○RKJ vs ●アーロン・ヘナーレ

当初の予定ではRKJ選手とジェフ・コブ選手が対戦することになっていました。前回大会でRKJ選手はオスプレイ選手の持つブリティッシュヘビー級王座への挑戦を表明していました。そしてその挑戦を受けるためにオスプレイ選手が出したのは、ユナイテッド・エンパイアの選手を倒せという条件でした。そうした経緯もあって、コブ選手の代役としてヘナーレ選手が登場したわけです。

試合は打撃の意地の張り合いが続く。特にヘナーレ選手の強烈な打撃、そしてそれを正面から受けるRKJ選手の耐久力が光る試合だった。ヘナーレ選手がブロックバスターからその場跳びムーンサルトも披露し、身体能力の高さを見せつける。そしてRKJ選手をフルネルソンに取り、全力で絞っていく。しかし、相手にダメージを蓄積させることはできてもこれで試合を決めることができない。その後、6.12DOMINION大阪城ホール大会で天山選手に対して初披露したアルティマのように、フルネルソンの状態で相手を左右に振ってより深く搾り上げていく形に発展したのだろう(ただ、初披露の際はギブアップを奪った後に相手を左右に振っていたが)。

その後、カナディアンデストロイヤーを受けたヘナーレ選手が還す刀でランペイジ。しかし自らのダメージもあってかカバーに行けない。終盤は互いに技の応酬となるが、最後はフルネルソンスラム、パワーボムを耐えたRKJ選手がヘナーレ選手のソバットをかわしてそのまま丸め込み、3カウントを奪った。

第4試合 ルーク・ジェイコブス vs ロビーX

○ルーク・ジェイコブス vs ●ロビーX

ジェイコブス選手は久々にタッグパートナーのイーサン・アレン選手を伴って登場。ルーク・ジェイコブス&イーサン・アレンのThe Young GunsはAUSSIE OPENがエンパイア入りする際にだしにされたチーム。

序盤はロビーX選手がジェイコブス選手の勢いをかわしつつ、身軽な動きで翻弄する展開。徐々にパワーでジェイコブス選手が押し気味になってくる。ロビーX選手が場外の鉄柵からムーンサルトアタックを狙うが、それを受け止めたジェイコブス選手はロビーX選手を観客席の椅子に向けて槍投げ。ロビーX選手はかなり激しく全身を打ち付ける。リングに戻ると強烈なスリーパー、そしてエプロンサイドへのバックドロップでロビーX選手の動きが完全に止まる。

試合終盤、大技を出し合って互いに見せ場を作る。ロビーX選手はフィニッシャーのエクスクラメーションを狙うが、1回目は逆にジェイコブス選手の得意のラリアットで迎撃されてしまう。しかし、ロビーX選手のスパイラルボディアタックから2回目のエクスクラメーションを狙い、これがクリーンヒット。ロビーX選手が勝利を手にしたと思われたが、ギリギリのところでジェイコブス選手は肩を上げる。

そしてコーナーポストでの攻防に移ると、ジェイコブス選手がトップロープから雪崩式のスタイルズクラッシュ。そしてラリアットからカバーするもカウント1でキックアウト。ジェイコブス選手は再び強烈なラリアットを見舞うと、すかさずスクリュードライバーで落とし、ロビーX選手から3カウントを奪った。

第5試合 ダン・モロニー vs ゲイブリエル・キッド

この試合は既に別記事でアップしていますので、そちらをご参照ください。

ゲイブリエル・キッドがイギリスで復帰戦!

第6試合 ブリティッシュ女子選手権試合 アレックス・ウインザー(c) vs カイリー・レイ

○アレックス・ウインザー(c) vs ●カイリー・レイ

レイ選手はRPWデビュー戦にていきなりタイトルマッチ。試合序盤はサブミッションの攻防を軸に展開。徐々にウインザー選手が厳しい攻撃とねちっこいサブミッションでペースを握る。しかし、レイ選手は起き上がりざまにウインザー選手の顔面へのトラースキックを決め、ウインザー選手の勢いが止まる。レイ選手は場外へのジャーマンを狙うもそれは堪えられる。しかし、エプロンでレイ選手のトラースキック、そしてウインザー選手のヘッドバットが入り、両者大ダメージのままリングイン。

ウインザー選手はシャープシューターを狙うが、レイ選手はSTFからクロスフェイスに捕らえる。そしてスーパーキックからネックブリーカーでウインザー選手をダウンさせると、入場時に持ち込んでいたリュックを背負ってセントーンを狙う。しかしこれは自爆に終わる。レイ選手はその後にラ・ミスティカ式クロスフェースを見せて会場を沸かせる。しかし最後はウインザー選手のクロスレッグエメラルドフロウジョンが決まり、3カウントを奪った。

 第7試合 AUSSIE OPEN vs The Velocities

AUSSIE OPEN(○カイル・フレッチャー&マーク・デイビス)vs The Velocities(●パリス・デ・シルバ&ジュード・ロンドン)

オーストラリア出身のタッグチーム同士の対戦。以前にPWAタッグ王座を争ったこともある。試合は、コーナーでアピールしているAUSSIE OPENの両者にThe Velocitiesがそれぞれ雪崩式リバースフランケンシュタイナーを仕掛けたところから開始。体格面でかなり劣るThe Velocitiesが2人がかりで順番に攻撃し、序盤のペースを握る。場外エスケープしたAUSSIE OPENに対してダブルのトペを連発。しかし3発目ではついにキャッチされる。そのままエプロンの角にボディスラム。

小柄なThe Velocitiesは巧みな切り返し技や合体攻撃、コンビネーションが命運を握る。リング上で1vs1の状況になるとまるで子供を扱うようにいいように振り回される。AUSSIE OPENの2人はただでさえ技が荒いが、軽量の選手に対してはよりその傾向が顕著になる。

試合終盤、フレッチャー選手がロンドン選手を雪崩式ブレーンバスターをコーナーポストに向けて垂直落下式で見舞う。すぐにカバーするも、シルバ選手がフライングボディプレスでカット。そして場外エスケープしたAUSSIE OPNEに対し、ロンドン選手がシルバ選手にスパニッシュフライを仕掛ける要領でThe Velocitiesの両者が束になって飛んでいく。ここはチャンスとばかりにフレッチャー選手をリングに入れてフィニッシュを狙うも、逆にシルバ選手が捕まり、合体のコリオリスを受けてしまう。フレッチャー選手がカバーするが、ロンドン選手がなんとかカット。AUSSIE OPENは2回目のコリオリスを狙うが、シルバ選手はダブルDDTで切り返す。そしてフレッチャー選手に対してシューティングスターDDTでニアフォール。しかし最後はセカンドロープからの雪崩式コリオリスがヒットし、シルバ選手が3カウントを奪われた。

両チームの体格差は非常に大きいが、The Velocitiesの動きが機敏で思いもよらぬ技の攻防もあり、非常に見応えのある試合だった。

第8試合 鈴木みのる vs マイケル・オク

○鈴木みのる vs ●マイケル・オク

当初はブリティッシュヘビー級選手権試合として発表されていたこの試合はオスプレイ選手の欠場により急遽カード変更に。オスプレイvs鈴木のブリティッシュヘビー級選手権試合は3月ごろから先行して発表されていたこの大会の超目玉カードだっただけに、興行的なダメージは大きい。しかし、その代役として名乗りを挙げたのはブリティッシュクルーザー級王者のマイケル・オク選手。オク選手は第1試合でコナー・ミルズ選手とタイトルマッチを行なっており、この日の2試合目となる。

序盤、速攻で得意のハーフボストンクラブを狙うが、鈴木選手がすぐに膝十字に切り返す。しかしオク選手はすぐに脱出。鈴木は「お前、ちょっとはやるな」と言った表情を見せる。

激しいチョップ合戦の後、鈴木選手がオク選手をロープ際へ誘い出し、得意のロープを使ってのアームバーを狙う。しかし、オク選手はそれを堪え、逆に鈴木選手の足を取り、ロープを利用してのハーフボストンクラブを極める。リング内に鈴木選手を戻すと、右足に向かってフロッグスプラッシュ。さらに低空ドロップキックなどで鈴木選手の右足を攻める。膝を抱えて悶絶するも、徐々に鬼の表情に変化。足の痛みに耐えながらオク選手の左腕への攻撃を重ねていく。

試合開始当初は完全に上から目線だった鈴木選手だが、ここに来てもまだ余裕の表情は崩さない。それでも、何度倒されても立ち上がって向かってくるオク選手をコブしつつ、技を受けていく。しかし、やはりオク選手のハーフボストンクラブはかなり強烈だったようで、鈴木選手は悶絶しながらなんとかロープブレイク。オク選手は勝機と見たか、得意のフロッグスプラッシュを狙うが、待っていたのは剣山。鈴木選手は迎撃に成功したものの、痛めている膝にさらなるダメージ。ロープに走るも途中で膝から崩れ落ちる。

それでも、鈴木選手は2回目のチャレンジでスリーパーホールドの体勢に。そのままゴッチ式パイルドライバーの体勢に移行し、たっぷりとタメを作ってからオク選手の脳天をリングに突き刺した。オク選手はこれを返すことができず、大の字のまま3カウントを聞いた。

試合後の鈴木選手は右膝を少し気にするそぶりを見せるが、笑顔で観客にアピール。そして倒れているオク選手を賞賛するようなそぶりを見せ、手を差し伸べる。オク選手が倒れたままその手をガッチリと握ると、鈴木選手は手を握ったままストンピング。そしてオク選手を場外へと蹴り出す。鈴木選手なりの賛辞だろう。

そして鈴木選手はマイクを手にする。”To Ospreay. Take care and FxxK you!”と叫ぶと、会場からは”Fuxxing Ospreay!”のコールが。そして鈴木選手は最後に”I am the KING. See you next time.”と言い放つと、倒れたままのオク選手を置いて会場を後にする。花道では観客との写真撮影をすると、会場を煽りながら退場していった。

リングに取り残されたオク選手の元には、この日の第1試合でタイトルマッチを行ったタッグパートナーのミルズ選手がやってくる。第1試合が終わった際には不穏な空気も流れていたが、ミルズ選手はオク選手を介抱。タッグマッチの絆を取り戻したようだった。

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