【RPW】辻陽太、裏切りのスリングブレイドで海野と完全決別へ(2022年7月3日)

【RPW】辻陽太、裏切りのスリングブレイドで海野と完全決別へ(2022年7月3日)

2022年7月3日にロンドンにてRPWのLive in London 63が開催されました。この日の試合では辻選手がタッグパートナーの海野選手を裏切るという結末が待っていました。

ブリティッシュタッグリーグ戦の星取り状況

ブリティッシュタッグリーグ2022は8チームがAブロックとBブロックに分かれ、総当たりのリーグ戦を行なっています。各ブロック4チームですので、公式戦は3試合のみとなります。この試合前のBブロックの星取り表は以下の通りです。

ブリティッシュタッグリーグ Bブロック(この試合前の状況)

The Velocities(ジュード・ロンドン&パリス・デ・シルバ) 2勝0敗(勝ち点6)

Lykos Gym 1勝1敗(キッド・ライコス&キッド・ライコスⅡ)(勝ち点3)

The LEGION 0勝2敗(海野翔太&辻陽太)(勝ち点0)

Sunshine Machine(チャック・マンボ&TKクーパー) 1勝1敗(勝ち点3)

試合前の時点で海野&辻は予選リーグ敗退が決まっていました。対戦相手のLykos Gymがこの試合に勝利し、同日に行われるThe Velocities vs Sunshine Machineの試合でSunshine Machineが勝利した場合、3チームが2勝1敗の勝ち点4で並ぶことになります。

Lykos Gym vs 海野翔太&辻陽太

いつものようにリングアナウンサーからマイクを奪ったギデオン・グレイ氏がコールを始めると、通路奥に海野選手と辻選手が並んで姿を見せる。海野選手は額には包帯を巻いた痛々しい姿で登場した。これは直前に参戦したAEWと新日本プロレスの合同興行Forbidden Doorのバックステージでクリス・ジェリコ選手からの火炎攻撃を受けたためである。それでも、海野選手は笑顔でファンサービス。一方の辻選手は硬い表情を崩さない。

試合開始直前、海野選手のデスライダージャケットを羽織ったグレイ氏が再びマイクを手にリングイン。グレイ氏は、すでにTHE LEGIONはチャンスがないが、Lykos Gymが決勝に上がるためにはTHE LEGIONがすぐに負けてやればいい、そうすればSunshine Machineが勝ち抜けることを阻止できる旨を述べる。そして海野選手にどうするかを問う。その問いかけに対し、海野選手はリング中央で大の字に。その姿を見たグレイ氏は上機嫌。海野選手にキッド・ライコスⅡ選手(以下「2号」)に対し、カバーしろとアピール。戸惑いながらも2号がカバーの体勢に入ると、海野選手はすかさず丸め込む。2号はなんとか肩を上げ、そして本格的に試合がスタートする。

試合序盤は海野&辻がコンビネーション攻撃で2号を攻める。辻選手に対しては会場から大きなチャントがなり響く。これに対して辻選手も少し笑顔を見せる。すると場外でキッド・ライコス選手(以下「1号」)が海野選手の額の傷を攻めると、2号も同じく傷口を狙う。執拗な攻撃を受け、早くも海野選手の包帯は取れてしまう。

海野選手も奮闘するも、傷口を攻撃されると動きが止まってしまう展開が続く。ローンバトルが続く海野選手だが、タッチできそうなタイミングで自軍コーナーに目をやると辻選手はエプロン下に降りていたためにタッチできない。海野選手はすぐに切り替え、2号にブラディーサンデーからカバーの体勢に入るも、1号がカット。しかも手にはライター。ジェリコ選手からの火炎攻撃がトラウマになっているのか、海野選手は必死の形相でその手を払い除ける。そこに辻選手がやってきて1号をスピアーで排除。そして2号をツープラトンのハイアングルボディプレスで投げると、ダメ押しのデスライダーを見舞う。海野選手は2号から3カウントを奪い、最終戦にして初白星を挙げた。この結果をもって、ブリティッシュタッグリーグBブロックはThe VelocitiesとSunshine Machineの2チームに絞られた。

試合後の展開

試合後、リング中央で海野選手と辻選手は勝ち名乗りを受けました。そしてグレイ氏は再びリングに上がってきます。辻選手と海野選手は少し距離をとってグレイ氏を見つめます。グレイ氏はデスライダージャケットを脱ぎ捨てると、「来週のシェフィールドで翔太はPACと対戦する。」と述べます。これには海上から、そして辻選手からも拍手が送られました。続けて、「海野翔太はTHE LEGIONにオールアトランティック王座をもたらすのだ」と語ります。海野選手もそれまでは会場を指差したり腰に手をヤリベルトダッシュのアピールをしたりしていましたが、「THE LEGIONに〜」という部分を耳にすると表情がこわばります。そして海野選手はグレイ氏からマイクを受け取り、グレイ氏に対して「黙れ」と言うと会場からも大歓声。そして、「俺がTHE LEGIONに入った目的はタッグリーグ出場のためだけだ。でも俺たちのタッグリーグはもう終わった。つまり、お前も終わりだ。」と述べ、マイクを捨ててグレイ氏の胸ぐらを掴みます。グレイ氏はやめてくれと懇願するも、海野選手は腕を回して準備体操。その姿を見て辻選手もニヤリとした表情を見せています。すると、突然辻選手がロープに走り、海野選手にスリングブレイドを仕掛けました。不意打ちを受けた海野選手は大の字に、その姿を辻選手はニヤリとした表情で見つめます。そして、グレイ氏が海野選手に対して「お前は用済みだ。ここにいるのがTHE LEGIONの辻陽太だ!」と叫ぶと、海野選手を無理やり引き起こし、そこに辻選手が強烈なスピアー。そして海野選手を片足で踏みつけながら、グレイ氏とガッチリ握手。そして、海野選手の胸に片手を置き、辻選手が何やら言葉をかけました。それに対して海野選手も少し目を開き、何やら言葉を返しました。そして再び辻選手は立ち上がり、片足で海野選手を踏みつけながら棚橋選手ばりに右手でLの字を作ってポーズを決めました。

辻選手と海野選手の歩む道

この試合を持って完全に両者は決別し、辻選手はヒールターンを果たしました。この試合まではベビーフェイスの海野選手よりもむしろ辻選手の方が歓声を浴びていました。しかし、ヒールターンしたことで、辻選手の退場時にはブーイングが浴びせられました。ヒールユニット内のベビーフェイスという曖昧な立場から、ヒールユニットのトップレスラーとして完全に立ち位置を変えたわけです。

辻選手の裏切りには、いくつかのメッセージが込められていたように見えます。まず1つ目として、裏切りの技にスリングブレイドを選択したことです。辻選手は棚橋選手の付き人をしており、オーカーン選手から誘いを受けた際にも棚橋選手を選びました。その棚橋選手の象徴すると言って良いスリングブレイドで海野選手と決別しただけでなく、新日本プロレスのベビーフェイスの中心にいる棚橋選手とも決別したと言えるでしょう。そして2つ目としては最後のポーズです。一見すると棚橋選手のポーズを真似ているように思えます。しかし、棚橋選手のように人差し指と親指の2本でLを作っているのではなく、人差し指に中指を沿えて3本でのLでした。この手の形で指先を正面に向けると、海野選手のシューターポーズになります。これは棚橋選手と海野選手の両者に対する決別を意味するポーズだったのでしょうか。さらに深読みするならば、これまで海野選手が活躍していたこのRPWのリングで、海野選手の思いも背負いながら戦っていくと言う辻選手なりの決意だったのかもしれません。

この試合以降、海野選手は7月6日にPAC選手とのタイトルマッチがありました。そして7月23日には辻選手との2回目のシングルマッチが組まれています。

そしてこの試合後に海野選手は渡米します。7月30日にナッシュビルで開催されるSTRONG興行のMusic City Mayhemに登場します。ここでは海野&上村&フレッド・イェハイ vs 成田&ケビン・ナイト&DKCという6人タッグが予定されています。おそらく海野選手はこの1試合のためだけに渡米するわけではないでしょう。この大会にはモクスリー選手も登場します。この大会はPPVということもありますので、何か新しい展開が生まれるかもしれません。そうでなくても海野選手にはジェリコ選手に対するリベンジも残されていますので、モクスリー選手と共にこのままAEW参戦という流れになる可能性もあります。

いずれにせよ、7月23日の辻選手とのシングルマッチが海野選手にとってのRPW最終戦になる可能性が非常に高いと思われます。辻選手との関係を清算し、アメリカ経由でG1後の日本へ凱旋ということになるのではないでしょうか。個人的には1.4東京ドームでの凱旋帰国が見たいのですが。

 

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