【RPW】Summer Sizzler 2022(2022年7月23日)

【RPW】Summer Sizzler 2022(2022年7月23日)

2022年7月23日にRPWがSummer Sizzler 2022を開催しました。その試合をレビューしていきます。

参戦選手

主な参戦選手についてはこちらの記事にまとめています。

RPW参戦選手の紹介

第1試合 ニューマンvsミルズ&ロビーX vs RKJ&デリース&クルーズ(AEWオールアトランティック王座次期挑戦者決定戦)

●カラム・ニューマン vs ○コナー・ミルズ vs ロビーX vs RKJ vs マン・ライク・デリース vs ウィル・クルーズ 

PAC選手の持つAEWオールアトランティック王座次期挑戦者決定戦として行われた6WAYマッチ。ブリティッシュヘビー級王座への挑戦を表明しているRKJ選手もエントリーしているが、十分なモチベーションを保っているのか不透明。RPWレギュラー参戦組ではないデリース選手とクルーズ選手にとってはいきなりメジャー団体のタイトル挑戦へとつながるチャンス。体格的にはロビーX選手が小柄なジュニア体型、クルーズ選手がスーパーヘビー級体型、残りの4人は標準的なジュニア体型。案の定、クルーズ選手が体格を活かして大暴れ。一人で残りの5人を次々と蹴散らしていくが、3人がかりで逆襲を受ける。試合は目まぐるしく攻防が入れ替わる。その中でもRKJ選手は見せ場を作る。コーナーへロビーX選手、ニューマン選手を乗せると、ミルズ選手を抱えたままコーナーの二人も持ち上げ、3人まとめて投げていく。また、直後に向かってきた125キロのクルーズ選手と真っ向勝負し、ブレーンバスターで投げるという力自慢のところを見せた。

試合はクルーズ選手とRKJ選手が勝負そっちのけで場外戦を行なっているタイミングで、リング上ではミルズ選手がニューマン選手をバーニングハンマーからカバーし3カウントを奪って勝利した。ミルズ選手はPAC選手のAEWオールアトランティック王座への挑戦権を獲得した。

第2試合 海野翔太 vs 辻陽太

この試合は別の記事ですでにアップしていますので、そちらをご参照ください。

【RPW】それぞれの道を歩み始めた海野と辻の一騎打ち(2022年7月23日)

第3試合 Sunshine Machine vs Lykos Gym(ブリティッシュタッグ選手権試合)

Sunshine Machine(○チャック・マンボ&TKクーパー)(c) vs Lykos Gym(●キッド・ライコス&キッド・ライコスⅡ)

2022年7月10日にシェフィールドで行われた大会で、Sunshine Machineの試合後にLykos Gymが襲ってアピールしたことで組まれたタイトルマッチ。両チームともブリティッシュタッグリーグにエントリーしていたものの、どちらも決勝に進むことはできなかった。この試合も第2試合の海野vs辻と同じく、わかりやすいベビーフェイスとヒールの対戦。

試合序盤はSunshine Machineが速いタッチワークでペースを握るが、キッド・ライコス選手(以下「1号」)がマンボ選手を捕らえると、キッド・ライコスⅡ選手(以下「2号」)が極太のゴムを持ち出してくる。この巨大ゴムで相手の顔面にゴムパッチンをするのがお決まりの反則攻撃。2号が片方の端を持ってどんどんと会場の奥へ。完全の伸び切ったと思われたが、さらに舞台へと続く階段も上がろうとする。そこへハサミを持ったTKクーパー選手が登場。捕まっていたマンボ選手も上手くすり抜けたタイミングで、TKクーパー選手がゴムにハサミを入れる。結果、Lykos Gymが互いにゴムパッチンを受けてしまう。最近はこうした失敗や逆襲のパターンも多い。

試合終盤、マンボ選手に2号がスパニッシュフライ、1号がヘッドバスターを仕掛けていく。マンボ選手はカウント2で跳ね返すが、すぐには立ち上がれない。すると1号は先ほどの極太ゴムを取り出し、そのゴムで場外でうずくまっているTKクーパー選手の両腕をフェンスに縛り付けてしまう。 リング上は完全に2vs1となり、凶器攻撃を織り交ぜながらマンボ選手を痛ぶっていく。しかしマンボ選手がなんとか耐えていると、TKクーパー選手がゴムを解いて復活。2号を排除し、マンボ選手からタッチを受ける。

すると、1号は両膝を突き、手を合わせて許しを請う。仁王立ちのTKクーパー選手のシューズに服従のキスもする。そして無理やり握手をしていくが、これで許されるわけはない。ヘッドバットと踵落としでダウンさせられると、交代したマンボ選手と合体のフェイスバスター。これをマンボ選手が押さえ込んで3カウントを奪い、防衛に成功した。

第4試合 フランシスコ・アキラ vs マイク・ベイリー

○フランシスコ・アキラ vs ●マイク・ベイリー

IWGPジュニアタッグ王者のアキラ選手と前年度ブリティッシュJカップ覇者のベイリー選手とのシングルマッチ。特にベイリー選手は大歓声で迎えられた。血気盛んなアキラ選手に対して、ベイリー選手は入場コスチュームをゆっくりと畳んでセコンドに渡し、相手を焦らしていく。

テコンドーの心得のあるベイリー選手はキックを主体に試合を組み立てる。アキラ選手は感情を全面に出して向かっていく。アキラ選手がリング内外で荒々しく攻めていくと、会場からはブーイング、そしてベイリー選手を応援する”Let’s go, Speedball!”の大合唱。

試合は消耗戦となる。ベイリー選手のムーンサルトニーアタック、アキラ選手のタイガースープレックスホールドでも試合は決まらない。アキラ選手はベイリー選手のフラミンゴドライバーでもカウント2で返す。アキラ選手はベイリー選手の得意技、二回転回し蹴りを喰らってしまうが、必殺技のトップロープからのムーンサルトダブルニーアタックは回避。逆にベイリー選手にランニングダブルニーアタックを放ち、ベイリー選手から完璧な3カウントを奪った。RPWでの実績からはアキラ選手の大金星といってよいだろう。

第5試合 アレックス・ウインザー vs アレクシス・ファルコン(ブリティッシュ女子選手権試合)

○アレックス・ウインザー(c) vs ●アレクシス・ファルコン

ファルコン選手は今回がRPWデビュー戦となる。イギリスのインディー団体では現役の王者で実績もあるが、いきなりのタイトルマッチ。王者のウインザー選手はブリティッシュ女子王座のベルトを腰に巻き、そして東京女子のインターナショナルプリンセス王座のベルトを手に堂々と入場。

試合はファルコン選手がウインザー選手の左膝を集中攻撃する展開に。徐々にダメージが蓄積され、ウインザー選手の動きが止まってくる。しかしファルコン選手のストレートパンチだけはなんとかかわしていく。ウインザー選手は足を庇いながら得意のシャープシューターを仕掛けるが、体の柔軟性に富むファルコン選手はなんとかロープブレイク。そしてファルコン選手は強烈なDDTからカバーするもカウント2で返されると攻め手を欠いてしまう。するとウインザー選手はシットアウトサイドスラムを見舞い、ファルコン選手から3カウントを奪った。

第6試合 マイケル・オク vs ルーク・ジェイコブス(ブリティッシュクルーザー級選手権試合)

●マイケル・オク(c) vs ○ルーク・ジェイコブス

6月19日のサウサンプトン大会で次期挑戦者決定戦4WAYマッチを制したジェイコブス選手がクルーザー級の絶対王者のオク選手に挑戦。オク選手は2020年2月にファンタズモ選手からベルトを奪って以来、これまで12回の防衛に成功してきた。

ジェイコブス選手はタッグパートナーのイーサン・アレン選手を伴って登場。王者のオク選手もパートナーのコナー・ミルズ選手と共にゲートに現れるが、ミルズ選手はオク選手に一言声をかけて引き下がる。オク選手はちょっと不満そうな表情を見せるが、ミルズ選手もメインでAEWオールアトランティック王座への挑戦が決まっているため、すぐにゲートの奥へと下がっていく。

ジェイコブス選手はこの日の会場となったマンチェスター出身のため、会場からは大歓声。対戦相手のオク選手も普段は大歓声で迎えられるが、この日ばかりはブーイングが待っていた。ゴングが鳴るといきなり試合はヒートアップ。互いの得意技を狙っていく。普段はクールなジェイコブス選手も歓声を受けてノっていく。

試合が終盤に差し掛かった頃、オク選手のフィニッシュホールドであるハーフボストンクラブが決まる。しかしジェイコブス選手は苦しみながらもなんとかブレイク。オク選手は再度ハーフボストンクラブを狙っていくも、ジェイコブス選手は両足でオク選手を蹴り飛ばして回避。するとその衝撃でレフェリーまで吹っ飛ばしてしまう。

するとジェイコブス選手のフィニッシュであるラリアットが炸裂し、カバーの体勢に。しかしレフェリーはダウンしたまま起き上がることができない。オク選手はこの隙にベルトでの攻撃を試みるが、アレン選手がそれを阻止しようとする。ベルトの引っ張り合いになるが、オク選手がベルトを奪い返した勢いで背後のジェイコブス選手の額にヒット。ジェイコブス選手はこの攻撃で額から流血。オク選手は得意のフロッグスプラッシュを二連発で見舞っていくが、ジェイコブス選手はなんとか肩を上げていく。

ジェイコブス選手はカナディアンデストロイヤーを受けてしまうが、すぐに立ち上がってラリアットを三連発、そしてスクリュードライバー。そのままカバーし、オク選手から3カウントを奪った。長期政権を築いていた絶対王者のオク選手を破り、ジェイコブス選手が新王者となった。

試合後、ジェイコブス選手がマイクを持ってアピールしているところに登場したのはアキラ選手。言葉を発することなくすぐにゲートから下がっていったが、次の挑戦者の座を狙っているのは確かなようだ。

第7試合 Aussie Open vs The Velocities(ブリティッシュタッグリーグ決勝戦)

Aussie Open(マーク・デイビス&●カイル・フレッチャー)vs The Velocities(ジュード・ロンドン&○パリス・デ・シルバ)

Aブロックを3戦全勝で勝ち上がってきたAussie OpenとBブロックを2勝1分で勝ち上がってきたThe Velocitiesによる決勝戦。両チームの4人ともオーストラリア出身で、PWA(Pro Wrestling Australia)タッグを争ったこともある。この試合時点ではThe Velocitiesがアイルランドの団体、OTT(Over The Top)タッグ王者であり、入場時もそのベルトを掲げて登場した。

両者とも190センチ超のヘビー級タッグであるAussie Openと、両者とも体重が65キロほどのThe Velocitiesでは圧倒的にパワーの差がある。ただでさえ荒い攻撃をするAussie Openだが、軽量のThe Velocitiesは軽く吹っ飛んでしまい、いかにも危険な状況。試合序盤、シルバ選手はコーナーに詰めてきたデイビス選手の首を両足で挟み、ヘッドシザーズに捕らえようとする。しかしデイビス選手はその両足を掴み、上へ放り投げた。すると両手でトップロープを持っていたシルバ選手の体がコーナーで逆立ち状態からそのまま場外に向けて背中から落ちそうになる。そのままだと背中からまともに鉄柱の頂点に落ちていくところだったが、放り投げたデイビス選手が慌ててシルバ選手の体を支えに行くシーンがあった。想定以上に体が宙に浮いてしまい危険だと判断したのだろう。

このシーンに象徴されるように、パワーの差は歴然としている。ただ、Aussie Openも相手の技をしっかりと受け止め、試合を作っていく。The Velocitiesは丸め込みなどの小技や返し技で試合を決めようとするのではなく、体格的に圧倒的不利であっても素早い動きと抜群のコンビネーションを駆使して真正面からぶつかっていくところが人気の秘訣なのかもしれない。

試合はAussie Openのフィニッシャーであるコリオリスが決まるも、これはぎりぎりでカットされる。そして最後はシルバ選手のシューティングスターダブルDDTという大技が見事にヒットし、フレッチャー選手から3カウントを奪った。The Velocitiesは見事にブリティッシュタッグリーグ優勝を決めた。

第8試合 PAC vs コナー・ミルズ(AEWオールアトランティック選手権試合)

○PAC(c) vs ●コナー・ミルズ

この日の第1試合で次期挑戦者決定4WAYマッチを制したミルズ選手がメインに再び登場。PAC選手の持つAEWオールアトランティック王座に挑戦した。PAC選手の人気はかなりのもので、普段はベビーフェイスのミルズ選手のコール時、さらには試合が開始してからもブーイングが浴びせかけられる。

試合はミルズ選手が素早い動きを見せてペースを握っていく。しかし、トップロープからの攻撃を狙ったミルズ選手をPAC選手は雪崩れ式ブレーンバスターで迎撃した。これが垂直気味にヒットし、ミルズ選手はかなりのダメージを受ける。そしてPAC選手の得意技、ブラックアローが見事にヒットした。PAC選手はそのままカバーし、3カウントを奪って勝利した。

 

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