【RPW】それぞれの道を歩み始めた海野と辻の一騎打ち(2022年7月23日)

【RPW】それぞれの道を歩み始めた海野と辻の一騎打ち(2022年7月23日)

2022年7月23日のSummer Sizzler 2022において約半年ぶりに海野選手と辻選手のシングルマッチが行われました。ヒールターンした辻選手がかつての盟友の海野選手とどのように戦ったのでしょうか。

海野と辻の因縁

RPWで海野選手と辻選手はなぜ戦うことになったのでしょうか。この経緯は当ブログでもたびたび話題にしてきました。時系列で簡単にまとめると次のようになります。

2021年9月26日 初タッグ結成。辻&海野 vs Aussie Open

2021年11月21日 辻選手がTHE LEGION入り

2021年12月27日 海野選手が第1試合に出場。海野選手が試合後のバックステージインタビューに答えていると、THE LEGIONのフィリップス選手に襲われる。ギデオン・グレイ氏が海野選手と辻選手の一騎打ちをマッチメイク

2022年12月27日 メインにXとして海野選手が登場。4vs4イリミネーションマッチで辻選手との前哨戦を行った

2023年1月29日海野選手と辻選手のシングルマッチが実現。

2023年2月6日 シングルマッチを行った直後の大会で海野&辻のタッグが実現

2023年5月8日 海野選手が辻選手とタッグを結成し、ブリティッシュタッグリーグにエントリーすることが決定。

2023年7月3日 ブリティッシュタッグリーグ戦を1勝2敗で終える。試合後に辻選手が海野選手を裏切る

そして迎えた7月23日、両者が敵対関係になってから初めてのシングルマッチを迎えることになりました。

試合展開と結果

リングアナウンサーがコールを始めると、実況席からギデオン・グレイ氏がダッシュでリングイン。マイクを奪って自ら辻選手のコールを行うといういつもの展開。いつもよりもさらに憎々しい表情で、声を枯らしながら全力で辻選手を呼び込む。辻選手は堂々として出立でリングイン。グレイ氏と視線を合わせ、ニヤリと微笑む。

後から入場してきたのは海野選手。7月3日の大会で辻選手の裏切りにあってしまった海野選手に対し、会場は大歓声で後押し。海野選手はリング上の辻選手の動向を横目で気にしながらも、リングサイドを一周しながら不安と拳を合わせていく。そしてリングインすると、リング中央で辻選手と睨み合い。構図は完全にベビーフェイスvsヒール。

試合は両者のエルボー合戦から始まる。リング中央で、そしてコーナーで互いにエルボーを打ち合う。最初に倒れたのは辻選手。その姿を海野選手が冷たい表情で見下ろす。海野選手はリングサイドのグレイ氏を気にしながらも、フェイスバスターから低空のランニングエルボースマッシュ。海野選手はさらにエルボーで攻める。

場外にエスケープした辻選手にさらに追い打ちをかけていく。海野選手はフェンスを利用してのDDTを狙うが、グレイ氏が介入してくる。グレイ氏に気を取られて背中を見せた海野選手に辻選手が襲い掛かるも、海野選手は返り討ち。そしてリングに戻っても一方的に海野選手が攻撃を重ねていく。しかしロープに走った海野選手の足をグレイ氏が引っ張ると、場外で目潰し。会場からは大ブーイング。ここからようやく辻選手が反撃に転じる。力任せにフェンスにぶつけると、海野選手の肘をフェンスに絡めて痛めつけていく。

会場からはLet’s go, Shota!のコールが起こるが、辻選手はニヤリとした表情で観客席を見渡していく。さらにリング内で海野選手を痛ぶってダウンさせると、再びニヤリとした表情でその姿を見つめ、さらに海野選手の頭を撫でて挑発していく。辻選手は強烈なキチンシンクを見舞うが、会場からは大ブーイング。そんなブーイングを気にすることなく、辻選手はアームロックで海野選手の左肘に集中攻撃。

辻選手は海野選手をキャメルクラッチに捕らえると、シューズから扇子を取り出して自らを仰ぐパフォーマンス。ニヤニヤしながらさらに苦悶の表情を見せている海野選手のことも仰いでいく。技を解いて海野選手を転がすと、辻選手はロープに走り扇子を持ったままダイビングボディプレス。

しかし辻選手は少し余裕を見せすぎたのか、海野選手が徐々に反撃に転じていく。エルボースマッシュで体勢を崩していくと、背中に低空ドロップキック。そして両者互いの髪をつかみ合ってエルボーを打ち込んでいく。海野選手はロープに走ると、場外のグレイ氏にスライディングキックを見舞っていく。さらに辻選手を場外に落とすと、エプロンからまとめてトペコンヒーロ。辻選手をリングに戻すとフィッシャーマンズスープレックスホールドで固めていくが、これはカウント2で辻選手が肩を上げる。さらに海野選手が辻選手をコーナーに詰めていくが、辻選手は両足で海野選手の頭をとらえてフェイスクラッシャー。さらにブレーンバスターを放っていく。

ここからバックの取り合いになる。辻選手は海野選手の腕を捕らえ、チキンウイングフェースロック。さらに両者が絡み合って攻防が入れ替わるが、再び辻選手のチキンウイングフェースロックがガッチリと決まる。海野選手は一瞬落ちそうになるが、なんとかロープに逃れる。

エプロンでノックアウト状態の海野選手だったが、辻選手のパイルドライバーをなんとか堪える。しかし辻選手のファイスクラッシャー、アバランシュホールドを受けてしまい、リング中央でノックアウト状態に。辻選手はニヤリとしながら仁王立ち。会場からはブーイングが飛ばされるも、辻選手は気持ちよさそうに両手を広げてさらに煽る。

海野選手が立ち上がると再び両者がバックの取り合いをし、最後は海野選手がジャーマンで放り投げる。そしてショットガンドロップキック、スイングDDT、ブレーンバスターと畳み掛ける。そしてエメラルドフロウジョンのような体勢で落とす。

しかし辻選手もニーアタックやリバースパワーボムで反撃。そして右手を上げてアピールすると会場からは再びブーイング。そして辻選手のコーナーからの強烈なスピアーが海野選手に命中。それでも海野選手は攻撃を食らいながらも体勢を入れかえてカバー。これをカウント2で返されてしまうと、海野選手はデスライダーの体勢に。これを受けるとまずい辻選手は必死に海野選手をコーナーまで押していくと、レフェリーがこれに巻き込まれてしまう。

レフェリーがダウンしたタイミングでグレイ氏が自らのケインを辻選手に手渡す。辻選手はこれで一撃を喰らわそうとするも、海野選手はそれを交わして強烈な張り手。そしてケインを奪い、グレイ氏のもとへ近づいていく。許しを請うグレイ氏に対し、ケインを放り投げ、それを受け取ったグレイ氏にキック。グレイ氏は場外へと落下。

海野選手はさらにグレイ氏に対して何かを叫んでいるが、ここで辻選手が背後から忍び寄る。しかし海野選手は振り返りざまに張り手、そしてロープに走るとスリングブレイド。そして走り込んでのツイストネックブリーカーを狙うが、辻選手は側転でこれを回避。ここで辻選手がバックブリーカー、フェイスクラッシャー、そしてスピアーと畳み掛け、海野選手から完璧な3カウントを奪った。

ギデオン・グレイの存在感

この試合ではグレイ氏は海野選手の足を引っ張り、場外で辻選手に攻撃する海野選手の気を引きに行き、そしてレフェリーダウンのタイミングで辻選手にケインを渡すことで試合に介入しました。HoTのディック東郷選手のようにリングに上がってくることもなく、あからさまな介入も限定的でした。同じ介入でも目立たない、しかし対戦相手からすると邪魔で鬱陶しい位置でさりげなく手を貸すような介入でした。オールドスタイルの介入と言ってもいいかもしれません。

グレイ氏は試合中に何度も辻選手に話しかけ、さらにアピールするポイントも指示していたように見えました。日本では可愛いおじさんキャラでしたが、イギリスではナチュラルに嫌われている厄介者です。レスラーとしてリングに上がるとさほど強さを感じられないかもしれませんが、こうしたマネージャーとしてのグレイ氏の存在感は一級品です。辻選手はこれからもグレイ氏からヒールとしての振る舞いを叩き込まれていくことになるのでしょう。

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