【RPW】10 Year Anniversary Show Night 2(2022年8月21日)

【RPW】10 Year Anniversary Show Night 2(2022年8月21日)

2022年8月20日、21日の2日間にかけてイギリスのRPWが10周年記念大会を開催しました。今回はその2日目の大会のレビューです。この日のメインイベントでオスプレイ選手とRKJ選手がブリティッシュヘビー級のベルトをかけて戦います。

参戦選手

主な参戦選手についてはこちらの記事にまとめています。

RPW参戦選手の紹介

第1試合 Greedy Souls vs Destination Everywhere

Greedy Souls(○ブレンダン・ホワイト&ダニー・ジョーンズ)vs Destination Everywhere(●マイケル・オク&コナー・ミルズ)

ここ最近どうも噛み合っていないDestination Everywhereが登場。対戦相手は2019年ごろからタッグチームで活躍しているGreedy Soulsの2人。RPWにおける実績では圧倒的にDestination Everywhereが優っている。

先に登場してきたDestination Everywhereの2人はリング上で軽くハグを交わす。試合序盤は一進一退の攻防が続くが、オク選手がいきなりハーフボストンクラブを狙うなど、勝ちを急ぐシーンが見られる。ミルズ選手は前日に2試合を行なっており、オク選手もAussie Openとの激しい試合をした翌日なのでダメージが残っているためだろう。

案の定、徐々にGreedy Soulsに捕まり始める。精細を欠いたオク選手がローンバトルを強いられてしまう。フラフラになりながらもようやくタッチが成立すると、勢いよくミルズ選手が入ってくる。そしてミルズ選手はホワイト選手に向かっていく・・・と思いきや、踵を返してコーナーにもたれかかっているオク選手にキックを見舞う。突然の裏切りに会場は騒然とする。対戦相手のGreedy Soulsも唖然とした様子で推移を見守る。会場からはミルズ選手へのブーイングが飛び交う。そしてノックアウト状態のオク選手とタッチをし、無理やりリングへ引き摺り込むとミルズ選手はそのまま去っていく。残されたオク選手はもはや戦える状態ではない。Greedy Soulsのコンビネーション技をくらい、3カウントを許してしまった。

第2試合 カンジ vs シャンタル・ジョーダン(SWE女子選手権試合)

○カンジ(c) vs ●シャンタル・ジョーダン

前日の次期挑戦者決定戦に勝利したジョーダン選手がカンジ選手の持つ王座に挑戦。カンジ選手はRoyalQuestの1日目にも登場した。このSWE王座はかつて存在したSouthside Wrestling EntertainmentからRPWが管理権を引き継いだもの。なお、SWE王座で存続しているのは女子王座のみで、SWEタッグはグレート-O-カーン&ランペイジ・ブラウン組、SWEスピードキング王座はマイケル・オク選手、SWEヘビー級王座はRKJ選手を最後に封印状態にある。女子王座は生きているとはいえ、カンジ選手は2019年7月にベルトを獲得してから3年以上王座を保持しているにも関わらず、この試合でまだ7回目の防衛戦。最後の防衛戦から1年以上も間が空いていた。

試合は経験に勝るカンジ選手が終始優勢な展開が続く。最後はラ・マヒストラルからの丸め込み合戦が続いたが、一瞬の隙をついたカンジ選手が三角締めでギブアップ勝ちを収めた。

第3試合 ルーク・ジェイコブス&トニー・デッペン(ブリティッシュクルーザー級選手権試合)

○ルーク・ジェイコブス(c) vs ●トニー・デッペン

第3試合でブリティッシュクルーザー級王者のジェイコブス選手が登場。この試合はノンタイトルマッチとして発表されていたが、ジェイコブス選手が入場してくるとすぐにマイクを取り、これをタイトルマッチにすることを提案。それが受け入れられ、急遽タイトルマッチに変更された。

コール中も相手や会場を馬鹿にするようなそぶりを見せるデッペン選手に対してブーイングが飛び交う。一方のジェイコブス選手には大歓声。完全にベビーとヒールの構図が出来上がる。それでも試合が始まるとクラシックな攻防が続く。デッペン選手も確かなテクニックがあることがわかる。

試合は序盤からデッペン選手がジェイコブス選手の腕と足を狙っていく。満遍なく痛めつけられたことで、得意のラリアットにも力が入らない。しかしながら、一点集中攻撃ではなかったためか、ジェイコブス選手の動きを完全に止めることはできず、逆に段々と回復してくる。試合終盤に強烈なチキンウイングを仕掛けられた場面がジェイコブス選手にとっての最大のピンチだった。しかしこれを脱すると、ジャパニーズレッグロールクラッチを狙ったデッペン選手の体制を崩し、逆に胴締めスリーパー。これにはデッペン選手もたまらずタップアウト。ジェイコブス選手が防衛に成功した。

 

第4試合 エディ・デニス vs ギデオン・グレイ

○エディ・デニス vs ●ギデオン・グレイ

リングアナウンサーのフランチェスカさんが次の試合のコールをしようとすると、いきなりグレイ氏のテーマ曲が。何よ、もう!というジェスチャーのフランチェスカさんを尻目に、憎たらしい表情のグレイ氏が花道から登場。フランチェスカさんのマイクを奪うと、オープンチャレンジマッチを行うことを宣言。そしてコーナー付近に下がっていたフランチェスカさんに対して、やるか?と尋ねる。次にリングサイドでセコンド業務についているコンテンダーディビジョン(ヤングライオンのような立場)のジョシュア・ジェームズ選手にもやるか?と尋ねが、笑顔で拒否される。

すると突然音楽が流れ始め、グレイ氏が渋い顔をする。そこで登場したのがパソコンのキーボードを手にしたマッド・カート選手。しかしカート選手はただからかいにきただけで、試合を拒否。代わって登場したのが元WWE NXT UKのエディ・デニス選手。会場も実況も大興奮。ただグレイ氏を除いて。グレイ氏は怯えた様子でリング隅に佇んでいる。

グレイ氏はデニス選手が観客にアピールしている背後から襲い掛かるが、パンチ一発でダウン。場外でも攻撃を受け、すでにグロッキー状態。グレイ氏はロープを使った急所攻撃や目潰し、ケインでの攻撃などの反則攻撃に活路を見出す。そしてなんと「ムーンサルト!」とアピールしてコーナーに上るが、カート選手からケインで殴打される。そしてデニス選手がネクストストップドライバーでグレイ氏を料理。5分ほどの短時間で勝敗が決した。

試合後、カート選手とデニス選手は勝利をアピール。音楽に合わせてノリノリで踊る。するとその姿を見た海野選手も登場。今度は3人で踊りまくる。そしてデニス選手は観客席を回りながら歓声に答えた。

第5試合 マイク・ベイリー vs レオン・スレーター

○マイク・ベイリー vs ●レオン・スレーター

スレーター選手は若いが見た目にもバネがあって期待できそうな選手。ブリティッシュJカップ2022にエントリーされている。PROGRESSや他のイギリスの団体で活躍中で、最近特に注目を浴びている。この試合がRPWでのデビュー戦となる。

試合中盤になってもスレーター選手はエプロンからのトペコンヒーロ、トペスイシーダ、ノータッチでコーナーを飛び越えてのトペコンヒーロを連続で放つなど、ハイフライヤーとしての本領を発揮する。

スレーター選手は終盤になってもスワントーンボムなどを披露して躍動する。しかし最後はベイリー選手が二回転ソバットから得意のフラミンゴドライバーでスレーター選手から3カウントを奪った。

第6試合 Sunshine Machine vs The Velocities(ブリティッシュタッグ選手権試合)

Sunshine Machine(c)(チャック・マンボ&○TKクーパー)vs The Velocities(●パリス・デ・シルバ&ジュード・ロンドン)

ブリティッシュタッグリーグ2022を制したThe VelocitiesがSunshine Machineの持つブリティッシュタッグ王座に挑戦。タッグリーグBブロック公式戦でも顔を合わせた両チームだったが、その時は30分時間切れ引き分けに終わっていた。

先に入場してきたThe Velocitiesは6月に獲得したイタリアの団体SAJ Wrestlingが管理するタッグベルトであるASCAタッグのベルトを腰に巻いて登場。一方のSunshine Machineはブリティッシュタッグ、そして6月に獲得したPROGRESSタッグの2本のベルトを腰に巻いて登場。イギリスを代表する2団体のタッグ王者のSunshine Machineはまさにイギリスを代表するタッグチームといえる。

試合は前半からThe Velocitiesがスピードとタッグワークで撹乱する。しかし、The Velocitiesはジュニアとしても軽量であることから、一度捕まってしまうと一方的に攻撃を受けてしまう。それでも受けのうまさとガッツで耐え抜き、最後に合体攻撃で勝負を決めるというのがThe Velocitiesの得意な展開である。この試合でも中盤以降はThe Velocitiesが耐える時間が長い。それでも、試合終盤になるとThe Velocitiesが攻撃する時間が増えてくる。水面蹴りとコーナーからのヘッドバスターの合体技ではフォール勝ち寸前までいくものの、これはギリギリのところでカットされる。さらにスリングブレイドとパワーボムの合体技からカバーするも、マンボ選手がロープブレイク。

しかし、カバーされたシルバ選手をカットしようとしたロンドン選手のダイビングフットスタンプが誤爆してしまう。そして最後はデシグネイテッドドライバーを受け、3カウントを奪われた。

第7試合  ウィル・オスプレイ vs リッキー・ナイトJr(ブリティッシュヘビー級選手権試合)

ウィル・オスプレイ(c) vs ○リッキー・ナイトJr

リッキー・ナイトJr.(RKJ)選手がこの試合に敗れると今後オスプレイ選手の保持するブリティッシュヘビー級王座への挑戦権を失う。この大事な試合にRKJ選手が選んだパートナーは父のロイ・ナイト選手。十代の時の子供のようでロイ・ナイト選手もまだ40歳前後。爽やかな息子のRKJ選手とは異なり、父のロイ・ナイト選手は飲酒運転で9ヶ月間も刑務所暮らしをしていたり、暴行や武器の所持の容疑で逮捕されたりもしているかなりの問題児。

リッキー・ナイトJr.(RKJ)選手がこの試合に敗れると今後オスプレイ選手の保持するブリティッシュヘビー級王座への挑戦権を失う。この大事な試合にRKJ選手が選んだパートナーは父のロイ・ナイト選手。十代の時の子供のようでロイ・ナイト選手もまだ40歳前後。爽やかな息子のRKJ選手とは異なり、父のロイ・ナイト選手は飲酒運転で9ヶ月間も刑務所暮らしをしていたり、暴行や武器の所持の容疑で逮捕されたりもしているかなりの問題児。

2年以上の長期に渡りブリティッシュヘビー級王者に君臨しているオスプレイ選手に対し、対戦相手のリッキー・ナイトJr(RKJ)選手は3回目の挑戦。オスプレイ選手への2回目の挑戦となった2021年9月19日はブリティッシュヘビー級王座統一戦の様相を呈していた。これは、SWEヘビー級王者を獲得したRKJ選手がSWEヘビーのベルトに代えて先代のブリティッシュヘビー級のベルトを持ち出し、自らブリティッシュヘビー級王者を名乗っていたためである。この統一選に敗れてからもさらなる挑戦を求めていたが、オスプレイ選手からAussie Openに勝利すれば、という条件を出されてしまう。そしてもし負けたならば今後のブリティッシュヘビーへの挑戦権を失うという条件を受諾し、2021年11月21日にRKJ選手は父のロイ・ナイト選手とのタッグでAussie Openとのブリティッシュタッグ選手権試合に挑み、見事に勝利した。そしてようやく実現したこの日のタイトルマッチである。なお、この試合には敗者がRPWを追放されるという条件もつけられた。

試合は序盤から激しいものとなる。RKJ選手はマットのない場外への断崖式DDTを見舞うなど、かなり荒々しい攻撃も仕掛ける。一方のオスプレイ選手も花道でパワーボム。どんどんと両者の体力が削られて行く。しかし、この試合は30分以上続いた。場外でのパワーボムがかなり効いたのか、リングに戻ったRKJ選手は痙攣して立ち上がることが困難なほど。そこに畳み掛けようとするオスプレイ選手だが、オスカッターを逆にキシドライバー(グッドナイトドライバー)の体勢に持ち込むなど、相手の得意な攻撃をお互いにうまく回避する。

RKJ選手がリバースカナディアンデストロイヤーを放つと、オスプレイ選手は返す刀でヒドゥンブレイド。そしてさらに正面からのヒドゥンブレイドもヒットし、万事休すと思われた。しかしRKJ選手はなんとかカウント2で肩を上げる。立ち上がってきたRKJ選手にサイレントウィスパーを三発放ったオスプレイ選手は勝利を確信。そして渾身のヒドゥンブレイドを放つも、RKJ選手は回避。そしてそのままレフェリーにクリーンヒットしてしまう。レフェリー不在の中、RKJ選手のキシドライバー(グッドナイトドライバー)が炸裂し、両者(プラスレフェリー)が大の字でダウン。流石にヒドゥンブレイドをまともに食らったレフェリーが簡単に復帰できるわけもなく、慌てて別のレフェリーがリングに上がる。

しかしこの2人目のレフェリーも、ドロップキックを受けたRKJ選手とコーナーの間に挟まれてダウンしてしまう。その隙にオスプレイ選手はベルトを持ち出し、これで殴打しようとする。しかし逆にRKJ選手にベルトを奪われて殴打されてしまう。

オスプレイ選手のオスカッターがついに炸裂すると、RKJ選手も得意とするレインメーカー、そしてヒドゥンブレイド、そしてVトリガーを見舞っていく。そして片翼の天使を狙ったところを逆にキシドライバー、Vトリガー、そして2発目のキシドライバーが炸裂。見事にオスプレイ選手から3カウントを奪った。この結果に観客は大歓声。スタンディングオベーションで応える。

この後、オスプレイ選手は勝者であるRKJ選手を讃える。リング上でRKJ選手に酒を注ぎ、共に飲み干して健闘を讃えた。

 

 

人気ブログランキング参加中!クリックで応援していただけましたら嬉しいです。


プロレスランキング

プロレス深夜特急の続編!