【RPW】Uprising 2022(2022年12月17日)

【RPW】Uprising 2022(2022年12月17日)

2022年12月17日にイギリスのRPWにおける年内最後のビッグマッチ、Uprisingが開催されました。この日は石井選手やオスプレイ選手など、新日本からも多くのレスラーが参戦しました。

参戦選手

主な参戦選手についてはこちらの記事にまとめています。

RPW参戦選手の紹介(2021-2022)

なお、ナイトファミリーについては映画化もされています。

リッキーナイトJr選手の家族がモデルとなった映画「ファイティング・ファミリー」

第1試合 ロビー・エックス vs ルーク・ジェイコブス(c) vs ウィル・ケイヴン vs ダン・モロニー(ブリティッシュクルーザー級選手権試合)

第1試合で組まれたのはブリティッシュクルーザー級選手権試合のイリミネーション形式での3WAYマッチ。もともとはブリティッシュJカップ2022覇者のロビー・エックス選手が王者のジェイコブス選手に挑戦することが決まっていたが、12月4日のタッグマッチ(ウィル・ケイヴン&ダン・モロニー vs ロビー・エックス&ルーク・ジェイコブス)にて王者のジェイコブス選手がケイヴン選手から直接フォール負けを喫したことをきっかけに、ジェイコブス選手が要求する形で3WAYマッチになることが決定していた。このケイヴン選手は10月22日に開催されたブリティッシュJカップトーナメントでもジェイコブス選手に勝利しており、さらに11月20日にはブリティッシュJカップ覇者のロビー・エックス選手にも勝利している。

3人がリングインし、リングアナのコールの後、ベルトが返還される。すると会場の隅でダン・モロニー選手が警備員に静止されている姿がカメラに映される。さらにコンテンダーディビジョンのレスラーも止めに入るが、ここで王者のジェイコブス選手がマイクを握る。そして、モロニー選手がやりたいならば4WAYにしてもいいがどうか?と宣言。そしてその可否を実況席のオーナーに問う。オーナーのアンディ・キルダン氏は少し躊躇した後、グッドのサインを送る。ここで急遽4WAYでのタイトルマッチが決定した。

いきなりの登場となったモロニー選手は通常のブーツとジーンズで試合を行うことに。なお、この4人は12月4日にタッグマッチで対戦しており、必然的にケイヴン&モロニー vs ロビー vs ジェイコブスという構図での対戦となる。

最初に脱落したのはモロニー選手。ジェイコブス選手のヒールホールドを回転して回避しようとしたところを潰されて押さえ込まれる。そのまま3カウントを奪われた。これに納得しない様子のモロニー選手だが、ジェイコブス選手が追い討ちのトラースキックを見舞うと場外へ。そして会場外へと引き下がっていった。

○ルーク・ジェイコブス ー ●ダン・モロニー

残された3人では必然的にケイヴン選手が狙われる。ロビー選手との攻防の中で、ロビー選手のフィニッシュホールドのエクスクラメーションがヒット。これでケイヴン選手が脱落と思われたが、うまく場外へ転がり落ちて脱落を逃れた。その後、リング状ではロビー選手とジェイコブス選手の激しい攻防が続く。ジェイコブス選手の得意のラリアット、そしてシットダウンパワーボムがヒットするも、ロビー選手はなんとか肩を上げる。すると、この間ずっと場外で休んでいたケイヴン選手が背後からジェイコブス選手を襲撃。さらにケイヴン選手に気を取られているジェイコブス選手に向け、突如としてリングに舞い戻ってきたモロニー選手が得意のスピアー、そして必殺のドリラを見舞う。そしてケイヴン選手がカバーし、3カウントを奪った。そしてこの時点でジェイコブス選手の王座陥落が確定した。

○ウィル・ケイヴン ー ●ルーク・ジェイコブス

最後はロビー選手とケイヴン選手とのシングルマッチ。場外での攻防を制したロビー選手がコークスクリューアタックを見舞うが、ケイヴン選手は高速ドラゴンスープレックス、そしてエプロンでもドラゴンスープレックスを見舞う。それでもロビー選手はデスバレーボムからエクスクラメーションを狙う。しかしケイヴン選手はレフェリーを身代わりにする。ロビー選手はギリギリのところでレフェリーへの技を解いたが、その隙にケイヴン選手がロビー選手の股間を蹴り上げ、すかさず丸め込み。それでもなんとかロビー選手は肩を上げる。そして2回目のエクスクラメーションがヒットするが、これはうまく丸め込まれて回避される。しかしロビー選手は間髪入れずに3回目のエクスクラメーションにチャレンジ。これが見事にヒットするが、ケイヴン選手はカウント1で肩を上げる。それでもロビー選手は動揺することなく、パッケージツームストンパイルドライバーを見舞う。さすがにケイヴン選手にもこれ以上の体力が残っておらず、3カウントを奪われた。

ロビー・エックス ー ●ウィル・ケイヴン

→ ロビー・エックス選手が新王者に!

この結果を受け、ロビー・エックス選手がブリティッシュクルーザー級王座を初めて獲得し、新王者となった。

第2試合 カンジ(c) vs ダニー・ルーナ(SWE女子選手権試合)

当初はアレックス・ウィンザー vs カンジという、ブリティッシュ女子王者 vs SWE女子王者の王座統一戦が予定されていた。しかしブリティッシュ女子王者のウィンザー選手が欠場することになり、代わってダニー・ルーナ選手がSWE女子王座に挑戦することとなった。なお、このSWE王座とは、かつて存在していたSouthside Wrestling EntertainmentというプロモーションをRPWが引き継いだ名残りのベルトで、かつてはSWEタッグ王座、SWEヘビー級王座など合わせて5つのタイトルが存在したが、統一や封印により、現在まで維持されているのはこの女子王座のみとなっている。

試合は体格に勝るルーナ選手がパワーで押す展開。カンジ選手は得意の打撃やサブミッションで応戦する。10分過ぎ、カンジ選手の三角締めが極まる。ルーナ選手はタップ寸前でレフェリーも試合を止めるように思えた。しかしルーナ選手は最後の力を振り絞り、カンジ選手をそのまま持ち上げると豪快なパワーボムで抑え込む。カンジ選手はこれを返すことができず、3カウントを奪われた。

●カンジ(c) vs ○ダニー・ルーナ

→ ダニー・ルーナ選手が新王者に!

第3試合 Greedy Souls vs Sunshine Machine(ブリティッシュタッグ選手権試合)

第3試合はブリティッシュタッグ選手権試合。ブリティッシュタッグ王座はこの両チーム間で4回続けてタイトルマッチが行われた。10月23日にGreedy Soulsが勝利して新王者となると、11月6日にリマッチが行われた。この試合はGreedy Soulsが半ば試合を放棄するような形でリングアウト負けとなるが、規定によりタイトルの移動はなかった。12月4日にはSunshine Machineの要望により、ノーカウントアウトルールでタイトルマッチが行われた。するとこの日はGreedy Soulsがパイプ椅子を持ち出して反則負け。それでも規定に従い、タイトルの移動はなかった。そこで、この日の試合はノーDQ、ノーカウントアウトストリートファイトマッチのルールで行われた。

試合開始と共に、Greedy Soulsはズボンのベルトで攻撃。Sunshine Machineも同様に自らのベルトを用いて反撃する。戦いの舞台は場外、そして入場ゲートが設けられた舞台上へ。ここでSunshine Mashineが急所攻撃を受け形成不利になる。その間にジョーンズ選手がパイプ椅子と竹刀を持ち出す。そしてリング上に戻したマンボ選手をめった打ちにする。TKクーパー選手も何とか戻ってきて4人が入り乱れての展開となる。Sunshine MashineもGreedy Soulsに負けないほどうまく凶器を利用する。ホワイト選手をパイプ椅子にぶつけ、マンボ選手のフライングボディプレス、TKクーパー選手のシューティングスタープレスの後に2人でカバーするも、ホワイト選手は肩を上げる。すると、ホワイト選手が持ち出したのはロープを調整する器具。この器具をマンボ選手の喉に当て、グラウンドで絞り上げる。また、ジョーンズ選手はTKクーパー選手の喉にパイプ椅子を引っ掛け、そのまま絞り上げる。ここでSunshine Mashineの2人が落ちてしまい、レフェリーが試合を止めた。Greedy Soulsはベルトを獲得して以来、初めて勝利という形で防衛に成功した。

○Greedy Souls(ブレンダン・ホワイト&ダニー・ジョーンズ) vs ●Sunshine Machine(チャック・マンボ&TKクーパー)

第4試合 ザック・セイバーJr. vs レオン・スレーター

第4試合にはザック選手が登場。対戦相手は最近売り出し中のレオン・スレーター選手。10月22日にはブリティッシュJカップ公式戦でリオ・ラッシュ選手に勝利、12月4日には元ブリティッシュクルーザー級の絶対王者マイケル・オク選手にも勝利を収めている。この勢いがザック選手にどこまで通用するかが注目。

スレーター選手が入場すると観客は大歓声で迎える。しかし、ザック選手はさらに大きな歓声が湧き上がる。ザック選手は2020年2月以来、2年10ヶ月ぶりのRPWマット登場となった。試合序盤はザック選手がスレーター選手に力量を測るためか、スレーター選手の素早い動きに対応しながら腕や首を固めていく。スレーター選手は関節技の攻防となるとなすすべがないが、うまく回転をして回避する場面も多く作った。スレーター選手はオクトパスホールド、450スプラッシュで会場を沸かせたが、PKの足をキャッチされるとドラゴンスープレックスホールド、そしてお返しのPKを受ける。そして最後はザック選手の変幻自在の関節技攻撃を受け、最終的には三角締めの体勢になったところでタップアウト。ザック選手が貫禄の勝利を収めた。

○ザック・セイバーJr. vs ●レオン・スレーター

第5試合 ザック・ナイト vs グレート-O-カーン(ブリティッシュヘビー級選手権試合)

この試合は既に別記事を公開していますので、そちらをご参照ください。

オーカーンがブリティッシュヘビー級王座を初戴冠!今後の防衛ロードは?

第6試合 マイケル・オク vs コナー・ミルズ

かつてはDestination Everywhereというタッグチームでブリティッシュタッグ王座のベルトも腰に巻いた両者だが、オク選手が当時保持していたブリティッシュクルーザー級王座にミルズ選手が挑戦した2022年5月ごろから2人の絆にヒビが入り始め、8月21日にミルズ選手がオク選手を裏切る形でタッグチームが解消となっていた。それ以降、オク選手は裏切られたことによる心痛からか精彩を欠く試合を続けていた。そしてオク選手が要求する形でこの日の清算マッチが組まれることとなった。

両者の対決は感情が前面に溢れ出たものとなる。オク選手の入場を待たずにミルズ選手が襲い掛かる。試合前半はラフな展開が続くが、次第にリング内での攻防へと移行。両者ともハイフライヤーということもあり、打点の高いドロップキックやトップコーナーからの攻撃など、互いに感情的になりながらも見応えのある攻防となる。ミルズ選手がオク選手が得意とするフロッグスプラッシュを見舞うが、オク選手はカウント2で肩を上げる。するとミルズ選手は馬乗りになってオク選手を殴りつけ、そしてリング下で凶器を探す。しかし適当なものがなかったのか、タオルだけを取り出すとオク選手のセコンドについていたオク選手のパートナーのアミラさんに投げ渡す(なお、アミラさんもプロレスラーである)。

そしてミルズ選手はオク選手の得意とするハーフボストンクラブを逆に仕掛ける。しかしこれは何とかロープエスケープすると、今度は逆にオク選手がハーフボストンクラブ。ミルズ選手はロープに向かって這っていき、そしてエプロンにいたアミラさんの髪を掴む。それに気づいていないオク選手はアミラさんもろともミルズ選手をリング中央へと引き戻していく。アミラさんの悲鳴に気付いたのか、技を解いたオク選手はアミラさんの方に体を向ける。そこにミルズ選手がレフェリーの隙をついてローブロー。そのまま抱え上げてバーニングカッターからカバー。オク選手はピクリとも動けないが、アミラさんがレフェリーの足を引っ張ってカット。これには会場からブーイングが飛ぶ。するとミルズ選手がアミラさんをキックで排除。これに怒ったオク選手は激昂し、ミルズ選手を鉄柱に打ち付ける。そしてエプロンのミルズ選手にフライングボディプレス。

何とかリングに戻ったミルズ選手は申し訳なさそうな表情で”Sorry”と語りかけ、手を差し出す。オク選手はその手を握り、そして肩を抱くが、ミルズ選手はスッと体を引いてハイキックを狙う。しかしそれはオク選手も読んでいたのかうまく回避すると、最後はフロッグスプラッシュから3カウント。オク選手が勝利を収めたが、浮かない表情のまま勝ち名乗りを受け、引き下がっていった。

○マイケル・オク vs ●コナー・ミルズ

第7試合 石井智宏 vs ウィル・オスプレイ

この日のメインイベントは石井選手とオスプレイ選手のシングルマッチ。当初は石井選手とザック・ナイト選手のシングルマッチが予定されていたが、ザック・ナイト選手はオーカーン選手との試合に変更されたことから、急遽オスプレイ選手が参戦することとなった。石井選手がRPWマットに登場するのは2019年4月以来となる。

試合は序盤から激しい打撃の攻防となる。チョップやエルボーを受けても微動たりともしない石井選手の姿に会場は沸く。オスプレイ選手がトップコーナーからの攻撃を狙うが、石井選手が逆に雪崩式ブレーンバスター。そしてラリアット、シットダウンパワーボムと畳み掛ける。さらにラリアットを狙うが、オスプレイ選手はうまく身をかわしてパワーボム。試合終盤まで互角の攻防が続く。

試合終盤、エルボーを受けながらも前進していく石井選手の姿に石井コールが起こる。石井選手はブレーンバスターをオスカッターで返されるが、すかさずスライディングラリアット。そしてもう1発ラリアットを狙うが、逆にスパニッシュフライを受ける。そしてオスカッター。1発目のヒドゥンブレイドはラリアットで迎撃。しかし返す刀でもう2発目のヒドゥンブレイドがクリーンヒット。しかしこれはカウント1で返す。そして3発目のヒドゥンブレイドは身を屈めて回避するも、オスプレイ選手はスーパーオスカッターの体勢に。しかし石井選手は膝蹴りで迎撃。そしてラリアット。そしてブレーンバスターを狙うが、オスプレイ選手はリバースカナディアンデストロイヤーで回避。そして正面からのヒドゥンブレイドがヒットするが、石井選手はこれもカウント2で跳ね返す。しかし最後はオスプレイ選手のストームブレイカーがヒットし、石井選手は3カウントを奪われた。しかしこの両者の激闘に会場からは大歓声が湧き上がる。

試合後、ブリティッシュヘビー級のベルトを巻いたオーカーン選手とギデオン・グレイ卿がリングに登場。オスプレイ選手と3人で並び、最後はギデオン卿がマイクを握り「これがユナイテッド・エンパイアの力だ!」という日本語で締めた。

●石井智宏 vs ○ウィル・オスプレイ

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