【RPW】Live in London 70(2023年2月5日)

【RPW】Live in London 70(2023年2月5日)

イギリスのRPWが2月5日に開催した大会のレビューです。この大会では辻vsゲイブのほか、ブリティッシュクルーザー級選手権試合も開催されました。

参戦選手

主な参戦選手はこちらの記事をご参照ください。

RPW参戦選手の紹介(2023)

第1試合 ロビー・エックス(c) vs キッド・ライコス(ブリティッシュクルーザー級選手権試合)

前回大会の2023年1月8日に全王者のルーク・ジェイコブス選手とのタイトルマッチで防衛に成功したロビー・エックス選手が、この日はキッド・ライコス選手との防衛戦に挑む。このタイトルマッチに至るまでのプロセスが特に見えず、いささか唐突にも感じるタイトルマッチ。しかしイギリスで数多くのタイトルを手にしてきたライコス選手は挑戦者に値するレスラーと言える。ただし、ライコス選手はRPWでの戴冠経験がなく、これまでのタイトルもタッグ王座が中心であったため、この試合はRPWでシングルプレーヤーとし手の地位を獲得するチャンスとも言える。

試合開始と共にロビー選手が素早い動きでライコス選手を翻弄。するとライコス選手は跪き、ロビー選手のシューズにキスをして恭順の態度を示す。そして握手を求め、ロビー選手もこれに応じる。その隙にライコス選手は目潰しを狙うが、これはあっさりと防がれてしまう。

試合は終始ロビー選手のペースで進むものの、ライコス選手も大技で反撃。雪崩式ブレーンバスター、スワントーンボムからあわやカウント3というシーンを作る。ライコス選手はこのブレーンバスターに気分を良くしたのか、予告ブレーンバスターを執拗に試みるが、4回連続で失敗。逆にロビー選手がムーンサルトプレス、その場飛びシューティングスタープレス。その後もライコス選手はブレーンバスターを狙い、6回目のチャレンジでようやく成功。ダブルニーアタックやスタナーでギリギリまで攻め込むも3カウントを奪うことはできない。場外へ落としたロビー選手にプランチャを見舞うと、ライコス選手の元にギデオン卿が忍び寄る。そして自らのケインを手渡し、これで攻撃するように指示をする。しかしライコス選手がそれを拒否。ライコス選手とギデオン卿と何やら話しているところにロビー選手がトペスイシーダを見舞う。そしてすかさずライコス選手をリングに押し戻すと、トップコーナーからスパイラルタップ、そして必殺技のエクスクラメーションを見舞う。この波状攻撃にライコス選手が肩を上げることができず、ロビー選手に3カウントを奪われた。

この日のライコス選手は、試合開始直後こそ目潰し攻撃を狙ったものの、クリーンファイトを続けた。いつものバッグは持ち込んだものの、凶器を取り出すことなく試合を終えた。ギデオン卿のケインを押し戻したこと、試合後、リング上から四方にお辞儀をしてからリングを降りたことから、ライコス選手の中にもヒールとベビーの間で揺れ動く気持ちがあるかもしれない。将来的なベビーターンの可能性も見えた試合だった。

○ロビー・エックス(c) vs ●キッド・ライコス

ロビー・エックス選手が3回目の防衛に成功!

第2試合 クリス・ブロンソン vs ダン・モロニー

ブロンソン選手は2022年12月30日にゲイブリエル・キッド選手とシングルマッチをして以来の登場。ヒールレスラーのダン・モロニー選手とシングルマッチが組まれた。体格的にはブロンソン選手が上回っているものの、モロニー選手もパワー勝負では互角。むしろブロンソン選手の方が身軽なムーブを見せる。

モロニー選手の立ち位置としてはヒールだが、この日の試合ではほとんどヒールムーブを見せずに真っ向勝負。ブロンソン選手は餅つき式のシットダウンパワーボムを見舞うなど奮闘するも、最後はモロニー選手がスピアーからドリラという必勝パターンに持ち込み、完璧なフォール勝ちを収めた。会場からはモロニー選手の勝利に対して歓声が上がるが、本人はそれを拒否するようなジェスチャー。

試合後、マイクを手にしたモロニー選手は前ブリティッシュクルーザー級王者のルーク・ジェイコブス選手を挑発。両者は2月19日のサウサンプトン大会でシングルマッチを行うことが決まっていた。モロニー選手の挑発に乗る形でジェイコブス選手はバックステージから会場に姿を見せる。そしてリング上で小競り合いを始める。セコンドが制止するも、最後はモロニー選手がスピアーを見舞う。ジェイコブス選手はバックヤードへと下がる。その姿を見ながらモロニー選手はコーナー上でアピールをした。

●クリス・ブロンソン vs ○ダン・モロニー

第3試合 カラム・ニューマン&JJゲイル vs Greedy Souls

ブリティッシュタッグ王者チームがノンタイトル戦で登場。り対戦相手はカラム・ニューマン&JJゲイル。両チームの対戦は2022年11月20日以来2回目。ニューマン選手とゲイル選手はチーム名こそないものの、RPWではほぼ一貫してタッグで登場している。しかし、ニューマン&ゲイルのタッグは結果を残しているとはいえず、これまでRPWで13戦して2勝しかあげられていない。最後に勝利を収めたのは2022年1月9日で、1年以上勝ち星から遠ざかっている。全く実績を残すことができていないこともあってか、この試合も前回の試合もタイトルマッチにはならず、ノンタイトルでの試合となった。

結果を残せていないものの、ニューマン選手、ゲイル選手も動きは良い。この日も小気味いい動きで王者チームを翻弄する。Greedy Soulsがヒールということもあり、会場からはニューマン選手、ゲイル選手への歓声が上がる。ゲイル選手がケブラーダ式でコンヒーロを見舞ったり、ニューマン選手がロープ渡りからのフライングラリアットを見舞ったりと大いに見せ場を作る。それでも、最後はやはり地力の差が出た。最後はネックブリーカーとパワーボムの合体攻撃、そして合体のソウルデストロイヤーがヒットし、王者チームが貫禄の勝利を挙げた。

試合後、ニューマン選手とゲイル選手は負け続けていることを質問された。マイクを受け取ったゲイル選手は、今日負けたらチームを解散し、シングルレスラーとして歩んでいくことに同意していたと答えた。そしてゲイル選手はニューマン選手とハグを交わし、正式にチームは解散した。

カラム・ニューマン&●JJゲイル vs Greedy Souls(○ブレンダン・ホワイト&ダニー・ジョーンズ)


第4試合  エディ・デニス vs マイケル・オク

第4試合にはRPWの中心選手の一人、マイケル・オク選手が登場。この日の対戦相手は長身のデニス選手。ベビーフェイス同士の対戦となった。

試合序盤はオク選手がほぼ一方的に攻め込む。しかし、オク選手が得意のハーフボストンクラブを仕掛ける直前に技を解いたところからデニス選手が反撃。体格とパワーに勝るデニス選手が場外でボディスラム。リング上に戻ってからも強烈なコーナーホイップでオク選手がダウン。そして雪崩式ブレーンバスターを狙うが、これはデニス選手が膝から崩れ落ちてしまう。その後もデニス選手が優勢に試合を進めるが、膝へのダメージが蓄積されてくる。オク選手のフロッグスプラッシュを剣山で回避するも、デニス選手の両膝にさらにダメージ。

すると、オク選手は容赦無く相手の膝を狙い出す。膝へのローキックで相手を崩してハーフボストンクラブを狙うも、これは回避される。デニス選手はムーンサルトアタックを狙ったオク選手の攻撃をかわすと、起死回生のストームバスター。そしてコーナーにオク選手を乗せ、ゴリースペシャルボム。さらに攻撃を狙うが、オク選手がサムソンクラッチからハーフボストンクラブへ移行。これはなんとかロープエスケープされる。デニス選手は再びゴリースペシャルボムを狙うが、オク選手は体を回転させて相手を丸め込み、デニス選手から3カウントを奪った。一進一退の熱い戦いに会場からは賞賛の拍手が送られた。

試合後、オク選手はデニス選手に握手を求めるも、デニス選手はそれを拒否。セコンドのアミラさんに促される形でオク選手はリングを降りた。そしてデニス選手はマイクを取り、自分はまだブリティッシュヘビー級王者になれると信じている、ブリティッシュヘビー級王者とやりたい、しかし3月26日のビッグマッチで勝利を収めることができなければ引退すると宣言した。この宣言には会場から悲鳴にも似た声が上がった。

●エディ・デニス vs ○マイケル・オク

第5試合  ルーク・ジェイコブス vs コナー・ミルズ

第5試合は前ブリティッシュクルーザー級王者のジェイコブス選手が登場。ヒールターンしたミルズ選手とのシングルマッチに挑んだ。試合開始のゴングと共にミルズ選手がドロップキック、そしてリバースデスバレーボムで一気呵成に攻める。ジェイコブス選手は右脇腹を痛めており、大きなテーピングをしている。その影響もあってか動きに精細を欠く。

当然のことながら、ミルズ選手は相手の故障箇所を狙っていく。そのため、ジェイコブス選手が攻めに転じてもすぐに動きを止められてしまう。試合が進むにつれ、ジェイコブス選手の攻撃もままならなくなってくる。ブレーンバスターを狙うジェイコブス選手だが、力が入らないのか持ち上げることができない。逆にローリングキックを受け場外へ出されたジェイコブス選手にすかさず矢のようなトペスイシーダ。ミルズ選手は観客席のビールを口に含み、倒れているジェイコブス選手に吹きかけて挑発する。

これに怒ったのか、ジェイコブス選手が反撃に出る。強烈な打撃から力を振り絞ってのシットダウンパワーボム。そして得意のラリアットを狙う。しかし、これを回避されるとボディーへの膝蹴り、そしてコンビネーションキックでダウンを奪われる。最後はボディへのキックからハイキック、そしてミルズ選手はレガースを外し、ジェイコブス選手の側頭部に強烈なキック。ジェイコブス選手はノックアウト状態で3カウントを奪われた。

●ルーク・ジェイコブス vs ○コナー・ミルズ

第6試合 ジョディー・スレット vs ダニー・ルーナ(c)(SWE女子選手権試合)

RPW初登場のスレット選手がいきなりルーナ選手の持つSWE女子王座に挑戦。スレット選手はカナダ、アメリカの団体を中心に活躍しており、その実績も買われてのタイトル挑戦と見られる。ルーナ選手とは過去に一度だけ4WAYマッチで対戦経験がある。

選手コールの際、The Wild Child「野生児」と紹介されたスレット選手は、コーナーで四つん這いになって首をグルグルと振り回す。そうした姿を嘲笑うかのように、王者のルーナ選手が背後から襲撃。そして試合開始のゴングが鳴らされる。

場外乱闘から試合が始まったものの、それ以降はクリーンな戦いが続く。ルーナ選手はパワーボムやラリアットといったパワーを前面に出した攻撃を繰り出し、スレット選手はセントーンアタックやみちのくドライバーで対抗する。一進一退の攻防が続くが、スレット選手が2発目のセントーンアタックを狙ったところを空中ではたき落とされる。そしてルーナ選手はファルコンアローでスレット選手から3カウントを奪った。

試合後、ギデオン卿がマイクを手にリングイン。そして、RPWデビュー戦で王座に挑戦したスレット選手を非難した。スレット選手はギデオン卿に対してファイティングポーズを構えていたところ、背後から1人の女子レスラーがスレット選手に襲いかかる。この選手はスカイ・スミットソン選手で、2021年9月5日以来のRPWマット登場。スミットソン選手もThe Legionのメンバーであることから、ギデオン卿が呼び込んだ形といえよう。スミットソン選手がスレット選手をさらに痛めつけていると、バックステージに下がったルーナ選手が戻ってきてスミットソン選手とやり合う。ギデオン卿はルーナ選手に対し、2月24日にスカイ・スミットソンがお前からベルトを奪うと宣言。実際に2月24日の大会でのタイトルマッチが発表された。

●ジョディー・スレット vs ○ダニー・ルーナ(c)

第7試合 Arrows of Hungary vs Sunshine Machine

ハンガリー出身のイカルス選手、ドーバー選手のタッグチームであるArrows of Hungaryは2022年6月以来の登場。この間はドイツの団体を主戦場としていた。両チームはこれがおそらく初の対戦となる。

試合はドーバー選手とマンボ選手の握手から始まる。Arrows of Hungaryはヒールレスラーではないものの、RPWのみならずイギリスマットでも有数の人気を誇るSunshine Machineに歓声が集まる。

両チームともコンビネーションは申し分ないが、チームとしての合体攻撃はSunshine Machineが圧倒的に豊富。試合中盤にはドーバー選手に対して、マンボ選手のフロッグスプラッシュ、クーパー選手のコークスクリュープレスを連続で見舞う。代わったイカルス選手にも合体技のデシグネイテッドドライバーを見舞う。それでもArrows of Hungaryの2人はしぶとく立ち上がる。そしてイカルス選手の奮闘で形成を逆転させると、まずはクーパー選手に得意のクロスファイヤー(サンドイッチ式ニーアタック)を見舞う。そして最後はマンボ選手に対して勢いをつけてのクロスファイヤーをヒットさせ、勝利を手にした。

Arrows of Hungary(イカルス&○ドーバー)vs Sunshine Machine(TKクーパー&●チャック・マンボ)

第8試合 辻陽太 vs ゲイブリエル・キッド

この試合はすでに別記事でアップしていますので、そちらをご参照ください。

【RPW】辻がRPW復帰!ゲイブリエル・キッドと対戦(2023年2月5日)

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