NJPW STRONGを知るためのまとめ【2021年12月版】
- 2021.12.08
- NJPW STRONG
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NJPW STRONGの有観客興行が始まって4ヶ月ほどが経過しました。有観客ということで、以前よりはネームバリューのある選手が参戦することが増えてきました。棚橋選手や石井選手も参戦したということで、注目し始めた方も多いのではないでしょうか。そこで、2021年12月版として、現在のSTRONGの状況をまとめてみたいと思います。
STRONGのユニット構成
STRONGでは国内の新日本プロレスには存在しない独自のユニットがあります。TEAM FILTHYとSTRAY DOG ARMYです。それ以外にBULLET CLUBやUNITED EMPIRE、そしてLA道場を中心とするアメリカ版本隊となっています。また、日本からスポットで参戦する選手や、アメリカ国内からスポットで参戦する選手もいますので、バラエティに富んだカードが組まれます。BULLET CLUBとUNITED EMPIREを含めると4つのヒールユニットが存在しますが、基本的にこれらのユニット間での対戦はありません。ヒールユニットに所属している選手は本隊もしくはスポット参戦の選手と試合を行います。本隊vs本隊、本隊vsスポット参戦、そしてスポット参戦vsスポット参戦というパターンで試合が組まれます。
以下では各ユニットと選手の情報です。
TEAM FILTHY
STRONGの初期にトム・ローラー選手が結成したユニットです。トム・ローラー選手が所属していたMLWにも同名のユニットが存在していましたが、トム・ローラー選手がMLWを退団してからはユニットがどうなったか不明です。Filthyという名はそもそもトム・ローラー選手のニックネームですので、おそらくMLWのTHEM FILTHYは自然消滅したのではないでしょうか。STRONGの方ではヒール側の中心的なユニットとして存続しています。
トム・ローラー:チーム・フィルシーの総帥。STRONG無差別級王者。STRONGのリングでは無敗。NEW JAPAN CUP USA 2021で優勝し、初代王者になった。サブミッションが得意技。防衛戦の相手は、順にクリス・ディッキンソン選手、カール・フレドリックス選手、小島選手、リオ・ラッシュ選手、成田選手。11月15日のDETONATIONではフレッド・ロッサー選手との防衛戦を行っているが、この試合は未放送。11月14日配信のNEW JAPAN SHOWDOWNでフレッド・ロッサー選手の自慢のアフロヘアーをハサミで刈るという暴挙に出た。
JRクレイトス:巨体でチーム・フィルシーの用心棒的存在。NWAを主戦場としている。巨体にも関わらずノータッチトペコンヒーロを出すこともある。全日本プロレス初のアメリカトライアウトで次点繰り上げ合格し、2020年のコロナ禍直前に来日経験もある(ただし全日本プロレス)。明確な反則攻撃をすることはほとんどないが、なぜか観客から狙い撃ちでブーイングされることが多い。
ダニー・ライムライト:元々ロッキー・ロメロ選手が見込んで連れてきた選手。MLW所属。ただし、MLWではTHEM FILTHYではなくLAXというユニットのメンバー。幸いにもMLWではトム・ローラー選手との絡みがないままだった。THEM FILTHYで最もヒールらしい動きをする選手。クネクネダンスでの挑発が観客からのブーイングを呼ぶ。
ロイス・アイザックス&ジョレル・ネルソン:ウェストコースト・レッキングクルーというチーム名で活動。主戦場はWCPW(West Coast Pro Wrestling)で、典型的なタッグ屋。THEM FILTHYの中では最も新しいメンバー。
ブラックタイガー:11月28日配信のNEW JAPAN SHOWDOWNにて乱入してきた謎の選手。新たにTEAM FILTHYに加入するらしいが、その正体やファイトスタイル等は不明。
なお、過去に所属した選手にラスト・テイラー選手、クリス・ディッキンソン選手がいる。ディッキンソン選手はトム・ローラー選手のSTRONG無差別級王座に挑戦を表明したことで追放された。
STRAY DOG ARMY
「野良犬軍団」というような意味。ベイトマン選手とバレット・ブラウン選手が手を組み、そこにミステリオッソ選手が加わってユニットとなりました。パッとしない、燻っていた選手が手を組んだ格好なので、STRONGのメインストリームには入れていません。大会(もしくは配信)でもオープニングマッチの扱いが多く、場合によってはダークマッチに登場ということもあります。
ベイトマン:STRAY DOG ARMYの総帥。主戦場はROHだったが、現在はほぼSTRONGのリングをメインに戦っている。LA道場で初期に行ったトライアウトに参加したが、危険すぎる男として追放された。タッグマッチでは五分五分の勝率だが、シングルマッチではあまり結果が出ていない。STRONGではクラーク・コナーズ選手、ケビン・ナイト選手、アレックス・コグリン選手に勝利しているが、ブロディ・キング選手、フレッド・ロッサー選手、成田選手に敗北している。
バレット・ブラウン:当初はエイドリアン・クエスト選手とのタッグで試合に出場することが多かった。しかし全く結果が出なかったことからクエスト選手を裏切り、ヒールに。ベイトマン選手とタッグを組むようになってからは勝ち星も増えてきている。以前はさまざまなインディー団体に出場していたが、現在はSTRONGが主戦場となっている。
ミステリオッソ:アメリカ出身のメキシカンレスラー。ヘビー級のルチャドールで、STRONG唯一の定期参戦マスクマン。ここ最近はSTRONGでシングルマッチを行っておらず、全てタッグでの登場となっている。また、2021年はSTRONGのリングがメインの活動の場となっているが、時々ルチャの大会にも出場している。
BULLET CLUB
ジェイ・ホワイト:言わずと知れたBULLET CLUBのリーダー。NEVER無差別級のベルトは失ったものの、STRONGのリングで他団体からの選手を迎え撃つ宣言をした。その第一弾として元AEWのクリストファー・ダニエルズを指名した。
ヒクレオ:STRONGに定期参戦している唯一のBULLET CLUB所属レスラー。スポット参戦してきたメンバーとのタッグを組むことも多い。シングル戦線ではジュース・ロビンソン選手との抗争を行っていた。NEW JAPAN CUP USA 2021準決勝でトム・ローラー選手に敗れたものの、これがおそらくSTRONGでトム・ローラー選手が最も追い詰められた試合だった。
クリス・ベイ:IMPCATを主戦場とするレスラー。IMPACTで結果が出ずに悩んでいたところをジェイ選手が勧誘した。
UNITED EMPIRE
ウィル・オスプレイ:アメリカとイギリスを行き来しつつ、アメリカではLA道場と抗争を続けている。これまでにカール・フレドリックス選手にノンタイトル戦で勝利。成田選手に(偽)IWGP世界ヘビー級選手権試合で勝利を収めている。
TJP:アメリカ大会RESUREGENCEでオスプレイ選手が登場した際に食ってかかっていたものの、LA道場を裏切ってUE入りした。
アメリカ版本隊
STRONGでは本隊という枠組みが曖昧です。ここでは、LA道場勢とタッグを組むことのある選手をゆるく「本隊」としています。アメリカ版本隊には三本の柱があり、LA道場勢、フレッド・ロッサー選手、そしてブロディ・キング選手です。ロッサー選手とブロディ選手はタッグを組んだことがありません。しかしLA道場勢はどちらともタッグを組みます。
LA道場
カール・フレドリックス:LA道場勢の中心選手。常にTEAM FILTHYやUNITED EMPIREとの抗争の前面に立っている。ここ最近のシングルマッチでは、クラーク・コナーズ選手、アレックス・コグリン選手、アレキサンダー・ジェームズ選手に勝利している。一方、トム・ローラー選手、ウィル・オスプレイ選手、成田選手には敗れている。
クラーク・コナーズ:LA道場の元キャプテン。フレドリックス選手と共にユニット抗争の前面で戦っている。6月にはロッキー・ロメロ選手とのシングルマッチで勝利を収めている。LA道場を裏切ってUNITED EMPIRE入りした元タッグパートナーのTJP選手と抗争している。
アレックス・コグリン:現在のLA道場のキャプテン。アレックス・コグリンチャレンジマッチシリーズを展開中。これまでにジョシュ・アレキサンダー選手、PJブラック選手、カール・フレドリックス選手、石井智宏選手、クリス・ディッキンソン選手、ジョナサン・グレシャム選手、ジョシュ・バーネット選手と7試合行っているが、全て敗北している。ジョシュ・バーネット選手のジムにも通ってトレーニングを続けており、12月5日配信のDETONATION 2021でのバーネット選手との試合はヤングライオン卒業試験だったとみられる。
成田蓮:着実に実績を残してきている。これまでにシングルマッチでベイトマン選手、クリス・ディッキンソン選手、ミステリオッソ選手、カール・フレドリックス選手、フレッド・ロッサー選手に勝利している。一方でトム・ローラー選手にはシングルマッチで二連敗しており、オスプレイ選手にも敗れている。
上村優也:成田選手とは異なり他団体への参戦の方が多い。それでも、12月5日配信のDETONATION 2021ではアレックス・ゼイン選手とのタッグでヒクレオ&ジェイ・ホワイトとも対戦した。STRONG興行にはほとんど参戦しているが、ダークマッチに登場することも多い。ダークマッチはSTRONG本編の配信ではなく、NJPW XTRA内で映像が流れるのみなので、試合数の割には日本のファンの目に触れる機会が少ない。なお、ダークマッチではデビッド・フィンレー選手とのシングルマッチも行っている。
DKC:小柄な選手だが、気迫に満ちている。空手チョップが得意。STRONGでのシングルマッチではいまだに勝利が無く、伸び悩んでいる感もある。しかし9月25日のAUTUMN ATTACKのダークマッチでは6人タッグマッチでクリアウォーター選手からフォールを奪った。おそらくSTRONGでDKC選手が初めて自ら掴んだ勝利となった。
ケビン・ナイト:LA道場入門前は1年間ほどジェット・ナイトというリングネームで活動していた。ドロップキックが得意で、体のバネがすごい。DKC選手とのシングルマッチでは勝利している。
ゲイブリエル・キッド:STRONGにはまだ試合を行なっていないが、10月17日のNEW JAPAN SHOWDOWNでリングに登場し、コメントを残した。そこで11月15日のDETONATION 2021でジョナサン・グレシャム選手への挑戦を表明した。この試合は未配信。
フレッド・ロッサー派
フレッド・ロッサー:元WWEで、現在は新日本プロレス所属の選手。曲がったことが大嫌いだが、ノーDQの試合も厭わない。整えられたアフロヘアーが自慢だったが、トム・ローラー選手にハサミで刈られてしまったことから現在はスキンヘッドになっている。ヒップドロップやエメラルド・フロウジョンを得意技としている。
エイドリアン・クエスト:元々はバレット・ブラウン選手とタッグを組む機会が多かったが、結果が出ずに悩んでいたバレット・ブラウン選手に裏切られた。自らのファッションブランドを立ち上げている。得意技はスターダストプレス。
ブロディ・キング派(VLNCE UNLTD)
ブロディ・キング:元ヴィラン・エンタープライゼスのメンバー。ROHが主戦場。クリス・ディッキンソン選手とタッグを組む機会が多い。得意技はゴンゾボム。NEW JAPAN CUP 2021では決勝戦まで残ったが、トム・ローラー選手に敗れた。11月15日のDETONATION 2021では石井選手とのシングルマッチを行っているが、未配信。
クリス・ディッキンソン:日本のプロレスマニア。元々はTEAM FILTHYのメンバーとしてSTRONGに登場したが、トム・ローラー選手の持つSTRONG無差別級王座への挑戦を表明したことで追放された。その後はブロディ・キング選手とのタッグでの登場が多い。しかし11月13日のBATTLE IN THE VALLEYの試合中の事故で腰を脱臼し、長期欠場となった。
本隊その他
ジュース・ロビンソン:STRONGではBULLET CLUB、とりわけヒクレオ選手との絡みが多かった。これまでシングルマッチを3回行い、2勝1敗。テーブルマッチでは敗北、テキサスブルロープマッチでは勝利。
デビッド・フィンレー:これまでSTRONGに何度か登場はしているが、目立ったストーリーラインはなかった。11月13日のBATTLE IN THE VALLEYに登場してジュース選手を襲ったジョナ選手とのシングルマッチが12月9日に組まれている。
リオ・ラッシュ:小柄だが非常に機敏な動きで観客を魅了する選手。現在はAEW所属になっている。トム・ローラー選手の持つSTRONG無差別級王座に挑戦するも敗北。得意技はセカンドロープとサードロープの間を潜り抜ける低空のトペ・スイシーダと、サードロープの反動を利用したラッシュアワーという技。
ロッキー・ロメロ:STRONGに初登場した選手の相手をすることが多い。AEWのBEST FRIENDSをCHAOSに加入させた。
ウィーラー・ユウタ:CHAOSに加入したBEST FRIENDSのメンバーの1人。STRONGでは準レギュラー的な位置付け。成田選手のライバルになるかと期待されたが、それ以降の絡みはない。
スポット参戦選手
ジョナサン・グレシャム:ROHを主戦場にしていた選手。BOSJへの参戦経験もあり。腕が非常に長い特異体型。10月17日にアレックス・コグリン選手とのシングルマッチに勝利。そして11月15日にはゲイブリエル・キッド選手の復帰戦の相手を務める。この試合は未配信。
ジョシュ・アレキサンダー:IMPACTを主戦場にしている選手。STRONGでは無敗。全てシングルマッチで、アレックス・コグリン選手、ダニエル・ガルシア選手、ロッキー・ロメロ選手、上村優也選手に勝利。IMPACTのリングでは鈴木みのる選手にも勝利している。
アレックス・ゼイン:初期のSTRONGに登場していたが、その後にWWE移籍。そしてリリースされたのちに再び戻ってきた。さまざまなリングに上がっているが、STRONGではオスプレイ選手とのシングルマッチに敗北、アリヤ・ダイバリ選手とのシングルマッチに勝利している。
フレッド・イェハイ:AAWなどを主戦場にしている選手。ウィーラー・ユウタ選手とタッグを組む機会が多い。シングルマッチでは白星に恵まれず、これまでにヒクレオ選手、JRクレイトス選手、ジェイ・ホワイト選手に敗れている。
ジョナ:WWEではブロンソン・リードというリングネームで活動していた。11月13日のBATTLE IN THE VALLEYで試合後に乱入という形で新日本プロレスに初登場。11月15日のDETONATION 2021でルーカス・ライリー選手を相手にSTRONGデビューを果たした。12月9日にはデビッド・フィンレー選手とのシングルマッチが組まれている。
ジョーダン・クリアウォーター:STRONG初期からのレギュラーメンバー。当初、日中は金融機関に勤めている兼業レスラーであると紹介されていたが、現在もその状態なのかは不明。NWAなどにも参戦している。最近は大物選手参戦の煽りを受け、STRONGの本放送ではなくXTRA内で配信されるダークマッチ扱いの試合が増えている。
アリヤ・ダイバリ:以前はWWEのリングに上がっていた。STRONGにはNEW JAPAN SHOWDOWNから登場している。イラン系の選手で、ペルシャ絨毯を手に入場する。得意技はその絨毯を両手で持って自分の前に垂らした状態のままでのフライングボディプレス。まるで空飛ぶ絨毯。
ウィル・オールデイ:キャリア3年目ほどの選手。AEWのリングにも上がっているが、その他大勢の名もなきレスラーという扱い。STRONGには9月のAUTUMN ATTACKで初登場。
ルーカス・ライリー:さまざまなインディー団体に上がっているキャリア数年の若い選手。STRONGには11月15日のDETONATION 2021で初登場した。この時は同じく初登場のジョナ選手とのシングルマッチを行い、ほとんど何もできないまま敗れた。12月9日のNEMESISではTEAM FILTHYのロイス・アイザックス選手とのシングルマッチを行う。
ブロガン・フィンレー:デビッド・フィンレー選手の実弟。9月26日のAUTUMN ATTACKではデビッド・フィンレー選手との兄弟でタッグを組んで登場した。STRONGの本放送での登場はこの回のみであるが、ダークマッチではもう1試合登場している。今後の成長が期待される選手。
レイ・ホルス:ROHなどで活躍しているマスクマン。STRONGには2月に登場して以来しばらく遠ざかっていたが、9月のBBQ Brawlで久々に登場するも、TJP選手の前に敗北している。
アレキサンダー・ジェームズ:GCWやドイツのwXwなどさまざまな団体のリングに上がっている選手。8月に2回登場し、ケビン・ナイト選手に勝利、カール・フレドリックス選手に敗北。それ以降の登場はない。
マット・モリス:他団体ではマシュー・リーウォルトやマット・リーウォルトのリングネームで活動している。STRONGではマット・モリスのリングネームでコグリン選手に勝利、ヒクレオ選手に敗北した2試合のみの出場となっている。STRONGの英語放送の方でコメンテーターとしての登場が多い。
エディ・キングストン:AEWを中心に多くの団体のリングに上がっている。AEWではジョン・モクスリー選手のパートナーを務めることが多い。STRONGでもモクスリー選手のパートナーとして一度だけ登場している。12月9日のNEMESISではゲイブリエル・キッド選手とのシングルマッチが予定されている。
ジョシュ・バーネット:11月15日のDETONATION 2021ではコグリン選手とシングルマッチを行なった。コグリン選手のヤングライオン卒業試験のために招聘されたような感じなので、今後STRONGに登場するかどうかは未知数。
AJZ:5月に2回登場して以来、しばらくSTRONGマットから遠ざかっていたものの、AUTUMN ATTACKで久しぶりに登場した。しかしダークマッチ扱いのため、STORNG本編での放送はされていない。マッスルポーズを作ってからお尻をキュッキュッとする動きが特徴的。
ラッキー・アリ:9月のAUTUMN ATTACKのダークマッチで初登場。しかしSTRONG本編では放送されていない。CZWやPWXなどといったインディ団体に上がっている。
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