STRONG2周年記念!STRONGをざっくりと振り返る(その1:歴史)
- 2022.08.11
- NJPW STRONG
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2022年8月7日にNJPW STRONG2周年記念スペシャルエピソードが配信されました。STRONGは2020年8月1日に放送開始がアナウンスされ、1週間後の2020年8月8日に記念すべき第1回配信が開始されました。ワールドのスペシャルエピソードではSTRONGを語る上で欠かせないキーとなった試合がダイジェストでまとめられていました。当ブログでも9回に分け、この2年間のSTRONGを振り返っていきたいと思います。
その他の記事へのリンクも挙げておきます。
STRONGの誕生
STRONGはコロナ禍における無観客での収録という形でスタートしました。大張社長のインタビューによると、元々はアメリカでの興行を回すために準備をしていたものの、新型コロナの影響で興行ができなくなったことから生まれたのがSTRONGという配信番組だったということです。
大張 清野茂樹さんのラジオ(『真夜中のハーリー&レイス』ラジオ日本)に出演した時に、プロレスのビジネスを海外に出てやる時の戦略は「陸・海・空」だと思っていると言ったんですね。
──「陸・海・空」ですか。
大張 まず「陸」は、現地での興行ですよね。次に「海」は商品を出荷すること。そして、「空」は国境を越えていける映像やアプリなどのコンテンツと考えています。アメリカ法人を作った時に考えたのは、まずは創業時と同じように「陸」ありきだったんですよ。
──何はともあれ、まずは大会ありきというか。
大張 ええ。それがエンジンとなって、「海」にあたる会場物販やLA道場の闘魂ショップ化、さらに「空」となる番組販売やアプリの配信、そして新日本プロレスワールドの会員数の増加という狙いを持っていたんですけど、エンジンになるべき「陸」の部分がコロナの影響で普通の形態ではできなくなっちゃった。そこで「TOKON SHOP Global」(闘魂SHOPの海外サイト)と同時に見出したのが、無観客だけど毎週番組を配信するという『NJPW STRONG』のスタイルなんですよね。(新日本プロレス公式サイトより)
初期のSTRONG
当初はLA道場近くのスタジオで収録していました。開始当時はLA道場生とアメリカ在住のBULLET CLUBメンバーを中心とする新日本プロレスに所属あるいはレギュラー参戦しているレスラーが中心となっていました。
記念すべき第1回はカール・フレドリックス vs KENTA、ジェフ・コブ vs タンガ・ロア、デビッド・フィンレー vs チェーズ・オーエンズ、ブロディ・キング vs タマ・トンガという4試合でした。LA道場1人、BULLET CLUB1人、レギュラー参戦外国人(本隊)2人で、ブロディ・キング選手だけがレギュラー参戦ではないレスラーでした。
第1回配信は4試合全てがNEW JAPAN CUP USA 2020公式戦だったということもあり、このようなカードになったという面もあります。そうした意味では、第2回配信回からいわゆるSTRONGらしさが現れてきたと言えるでしょう。第2回配信のカードは、NEW JAPAN CUP USA 2020公式戦の2試合に加え、クラーク・コナーズ&ジョーダン・クリアウォーター vs ローガン・リーガル&バレット・ブラウン、TJP&ACH&アレックス・ゼイン vs PJブラック&ミステリオッソ&バレット・ブラウンというカードが組まれていました。このように、初期の頃は新日本プロレスアメリカ出張所+インディー系レスラーという構図だったと言えるでしょう。
中期のSTRONG
私の個人的な感想では、初期のSTRONGはアメリカ在住のレスラーを中心とした新日本プロレスアメリカ出張所のような印象でした。すなわち、頻繁に来日できなくなったレスラーがアメリカで試合を行うというミニ新日本プロレス的な、国内レギュラー興行のエクストラエディションのような感じを受けていました。しかし、STRONGが徐々にオリジナリティを強めてきたのは2020年11月14日配信のエピソード15でチーム・フィルシーが結成されてからと言えるでしょう。この日の試合でトム・ローラー選手はフレッド・ロッサー選手とシングルマッチを行い、勝利しています。
当初のチーム・フィルシーはトム・ローラー選手に加え、JRクレイトス選手、そしてラスト・テイラー(現:テイラー・ラスト)選手の3人でした。ローラー選手がSTRONG無差別級王者になるのは2021年4月24日配信のエピソード37からですが、それ以降はローラー選手のSTRONG王座をめぐる争いがSTRONGのストーリーの1つの軸となっていきました。この配信回でブロディ・キング選手を破りSTRONG初代王者となったローラー選手は、これ以降9回の防衛に成功します。対戦相手は順に、クリス・ディッキンソン選手、カール・フレドリックス選手、小島聡選手、リオ・ラッシュ選手、成田蓮選手、フレッド・ロッサー選手、ラスト・テイラー選手、クラーク・コナーズ選手、永田裕志選手となります。そしてフレッド・ロッサー選手が2回目の挑戦でようやくローラー選手からベルトを引き剥がすことに成功しました。その間、実に1年2ヶ月にわたってローラー選手が王座に君臨してきたわけです。
現在のSTRONG
STRONGが新たな顔を見せ始めたのは、国内選手のSTRONG参戦以降です。2021年5月8日に配信されたエピソード39に永田選手が、6月5日配信のエピソード43では小島選手が参戦しました。この流れが本格化したのは有観客興行が始まった2021年8月からでしょう。それ以降、棚橋選手や鈴木選手、石井選手、石森選手、田口選手、ヒロム選手など、多くの選手が参戦しています。そこにLA道場の選手、IMPACTやAEWを主戦場にしている選手、フリーの大物選手などが複雑に絡み合い、現在のSTRONG興行の形になっています。初期から中期のSTRONGには日本であまり知られていない選手が多く参戦していましたが、現在はそうした選手の席がほとんどありません。興行を行うテリトリーで活動しているインディー団体の選手がスポットで参戦することはあっても、そうした選手がレギュラー参戦を勝ち取るのは難しい状況と言えるでしょう(もしかするとこうしたインディー系レスラーのスポット参戦の背景には、地元団体からのリングレンタルとのバーター契約があるのかもしれません)。
未来のSTRONG
今回のG1にはSTRONGからローラー選手とジョナが参戦し、ロイス・アイザックス選手とバッド・デュード・ティトが帯同しています。また、BOSJにはアレックス・ゼイン選手やクラーク・コナーズ選手が参戦しました。これまでももちろん国内とSTRONGのストーリーが混じり合うことがありましたが、今後はますますそのような傾向が増えていくのではないでしょうか。例えば、実現の可能性が高そうなのはWTLへのウェストコースト・レッキングクルー(ロイス・アイザックス&ジョレル・ネルソン)の参戦です。STRONGから新しい人気者が生まれるかもしれませんし、意外なストーリー展開が見られるかもしれません。そして何よりもLA道場で修行中の成田選手や上村選手の様子も追うことができます。
今後、STRONGがますます魅力的なものになっていくことを願うばかりです。
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