オカダの視界に鷹木が入った日

オカダの視界に鷹木が入った日

2021年6月7日、DOMINION大阪城ホール大会のメインイベントはオカダvs鷹木のIWGP世界ヘビー級王座決定戦でした。これまでの両者の対戦成績は1勝1敗の五分です。しかしながら、オカダ選手の口からは鷹木選手に対する想いや意気込みがあまり語られることはありませんでした。対戦前、「オカダはオレ程度じゃ本気を感じていない。負けてもどこか余裕を感じる」という旨の言葉を残しています。IWGPの名を冠するベルトを巻いたことがない鷹木選手に対し、現在の新日本プロレスの顔でありミスターIWGPとも言えるオカダ選手からすると、「レベルが違う」という想いがあってしかるべきです。これはオカダ選手の傲慢さというよりは、新日本マットにおける「格」の違いでしょう。鷹木選手はその勢いで「格」をぶち破ることができるのかが一つの注目ポイントでした。

鷹木の気迫

オカダ選手からすると、3月6日のNEW JAPAN CUP 2021 大田区総合体育館大会での鷹木戦での敗北は足元をすくわれたような感覚だったのかもしれません。オカダ選手からすると、鷹木選手はまだまだ顔じゃなかったのでしょう。その余裕がDOMINIONでの王座決定戦の序盤の試合運びにも見て取れました。

一方の鷹木選手は万全の準備と対策を練ってきました。場外での急角度メイドインジャパン、直角に刺さったステイドリームなど、試合後半に大技を連発してきました。レインメーカー返しの鷹木式レインメーカー式龍魂ラリアットでは会場がどよめきました。そして鷹木式レインメーカー式パンピングボンバーを決めるなど、徹底してオカダ選手のレインメーカーを警戒して対策を講じてきました。最後にはこうした準備力が勝敗を決したのだろうと思います。

オカダの目

序盤から中盤にかけて、オカダ選手の表情には余裕がありました。それが変わってきたのがコーナーマットに向けての投げっぱなしジャーマンを食らった頃からでしょうか。オカダ選手の目から余裕がなくなり、時にはうつろな表情に、時には気迫に満ちた表情に変化しました。確実にオカダ選手の視界のど真ん中に鷹木選手が入ってきたのです。そして本当の勝負はここからでした。

しかし、オカダ選手に火がつくタイミングは遅過ぎました。オカダ選手が狙うのはマネークリップ、そしてそれで勝負が決しないとなるやレインメーカーを繰り出します。そして、すでに述べたように鷹木選手はその上を行っていました。

今回の試合は鷹木選手に軍配が上がりました。しかし、これで黙っているオカダ選手ではありません。いずれ再戦する時が来るでしょう。鷹木選手を視界のど真ん中に捕らえたオカダ選手が次にどのような対策を考えてくるのか、どのような試合になるのか、非常に興味深いところです。



鷹木の防衛ロードはどうなる?

試合後、鷹木選手は飯伏選手を初防衛戦の対戦相手に指名しました。この日の第4試合で飯伏選手がコブ選手に勝利したことで、私だけでなく多くのファンが予想したことでしょう。自信を取り戻した飯伏選手がIWGP世界ヘビー級王座に絡んでくるだろうことを。

この試合がどこで組まれるのかはわかりません。おそらく一夜明け会見で発表されることと思いますが、次期シリーズの中心がこの2人になることは確実です。そして今の心身ともに充実している鷹木選手と、自信を取り戻した飯伏選手の一戦は激烈なものになるでしょう。鷹木選手の言葉を借りると、トップ中のトップに片足を突っ込んだ状態の鷹木選手がそこに留まるか追い出されるかは次の飯伏戦次第でしょう。

そしてバックステージではオスプレイ選手への想いを語っていました。全治未定のオスプレイ選手に鷹木選手なりのエールでしょう。それは同時に、「お前が戻ってくるまで俺はこのベルトを守り抜くぜ」という決意の表明でしょう。2022年1月4日のWRESTLE KINGDOMのメインイベントにこの2人のタイトルマッチがノミネートされているか、それとも別の選手の名前があるのか。今後の展開から目が離せません。

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