上村優也、エースへの道

上村優也、エースへの道

上村優也試練の五番勝負、この日はエース棚橋弘至選手との一戦でした。いつものように観客にアピールする棚橋選手の背中を真っ直ぐに見据える上村選手の胸中に宿っていたのは何でしょうか。

上村の背中に藤波が見える

上村選手はいつものようにじっくりとしたレスリングを展開します。棚橋選手もそれに合わせるかのように、徹底した足攻めを見せます。まさにレスリングの基本、道場でのスパーリングの基本的な動作を繰り返します。

上村選手も試合を重ねるごとにどんどんと動きが良くなってきました。もちろんダメージは蓄積されているはずですが、それ以上に上位選手と闘える喜び、そこから得るものの大きさを噛み締めていることでしょう。

棚橋選手の足を取り、腕を取り、ドロップキックを出すその姿は、若かりし頃の藤波辰爾選手を思い起こさせるものでした。その風貌から、ニューヨークでWWWFジュニアヘビー級王座を奪って凱旋帰国してきた、ジュニア時代の藤波辰爾選手と重なって見えることが多かったのですが、今日の試合の序盤は新日本プロレスで脈々と受け継がれてきたストロングスタイルのレスリングを見ているようでした。本人は意識していないでしょうが、前日のザックセイバーJr.戦でのジャパニーズレッグロールクラッチ、そしてこの日のドラゴンスープレックスホールドと、いずれも技を出すには至りませんでしたが、こうした姿にも藤波辰爾選手の姿が重なります。

後半に入ると、上村選手は渾身の閂スープレックスからのボストンクラブを決めていきます。最後は急角度のテキサスクローバーホールドにギブアップしてしまいますが、非常に良い試合だったように思います。



上村優也の棚橋超え

上村選手は試合後、棚橋超えを宣言しました。

もちろん、棚橋選手を超えることは容易なことではありません。仮に1試合勝ったとしても、それだけで棚橋選手を超えたと思う人はいないでしょう。それほどまでに現在の新日本プロレスにとって棚橋弘至の存在感は大きく聳え立っているのです。

ただ、棚橋選手も選手としてのピークは超えつつあります。いつまでも棚橋選手が新日本の顔であってはならないという意識は当然持っていなければなりません。上村選手もそのような意識があるのでしょう。だからこそ、もっと上を見ているという発言につながったのだと思います。数年後、棚橋程度にならなくてよかった、と語る上村選手の姿が見られるかもしれません。

そして、棚橋選手からは「海外遠征に行かなくてもエースになった男を知っている」という言葉が出ています。

これは、棚橋なりの辻選手、上村選手に対するサポートの宣言でしょうか。この2人をトップに引き上げるまでは自分がトップにいなければならないという責任感が見て取れます。棚橋選手からエースの座を引き継ぐのは上村選手になるのか、数年後が楽しみです。

他の人気プロレスブログはここをチェック!クリックで応援していただけましたら嬉しいです。


プロレスランキング