プロレスラー・ディック東郷の意地と執念

プロレスラー・ディック東郷の意地と執念

2021年6月22日、KIZUNA ROAD 2021 後楽園ホール大会のメインイベントはNEVER6人無差別級選手権試合でした。CHAOS組が防衛記録を伸ばすのか、BULLET CLUB組が王座を奪取し、ディック東郷選手が久々の戴冠なるかなど、楽しみの多い試合でした。

サプライズの入場シーン

クライマックスは唐突にやってきました。チャレンジャーチームの先陣を切って入場してきた裕二郎選手の傍には、2020年2月9日後楽園ホール大会以来のピーターさんが寄り添っています。タイチ選手の大一番にディーバのあべみほさんが帰ってきたように、裕二郎選手の大一番にピーターさんが帰ってきました。まさにサプライズです。やはりピーターさんがいると会場が華やかになります。この時点で後楽園ホールに詰めかけたファンは入場料の元を取ったとも言えるでしょう。



プロレスラー・ディック東郷

BULLET CLUBでのディック東郷選手はほとんどがEVIL選手のセコンドとしての登場でした。しかし、隆起した両腕の筋肉、時折見せる機敏な動きはまだまだ現役レスラーの片鱗を見せていました。そうした姿を常に間近に見ているEVIL選手は、盟友のディック東郷選手を再び表舞台で輝かせたい、輝くことができるという確信があったのでしょう。それは、自分を闇の王として再生してくれたディック東郷選手への恩返しだったのかもしれません。

リングに上がったディック東郷選手は、大ベテランでありながら機敏な動きで攻め立てます。特に石井選手と向き合うと、さらにディック東郷選手の動きにキレが出てくるようです。ディック東郷選手が内に秘めているプロレスラーとしての本能が石井選手によって引き出されるのでしょう。そこにいたのはSPOILERディック東郷ではなく、プロレスラー・ディック東郷でした。

今日のディック東郷選手は一味も二味も違いました。普段もレスラーとしてリングに上がったときに見せる、美しいフォームのフィストドロップ。高くて重いセントーン。そして執拗なクロスフェイスなど、高いテクニックを見せつけます。そして、新日本マットではほとんど見せたことのないペディグリーを決めた後、ディック東郷選手がトップロープに上がります。多くのファンが待ち望んでいたダイビングセントーンがここで見られるのか!というところにカットが入り、結局は未遂に終わります。そして、長時間にわたるディック東郷選手と石井選手とのマッチアップで、いつどちらがフォールを取られてもおかしくない攻防が果てしなく続きました。最後はブレーンバスターでフォールを奪われますが、プロレスラー・ディック東郷としての意地を見せました。

試合には負けましたが、ディック東郷はまだまだ健在であることを見せつけることができたのではないでしょうか。次のチャンスはいつ、どこにあるかわかりません。しかし、プロレスラーとしてのディック東郷選手もまだまだ見たい、そう思わせる試合でした。

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