石井と第三世代、石井とEVIL

石井と第三世代、石井とEVIL

7月2日後楽園ホール大会メインイベントはNEVER無差別級6人タッグ選手権試合、CHAOS vs 第三世代でした。前日のスペシャルシングルマッチ三連戦が非常に熱い闘いでした。結果としてはCHAOSの2勝1敗でしたが、3試合ともどちらが勝ってもおかしくない闘いでした。

スペシャルシングルマッチ延長戦

この日の試合は石井選手と永田選手のマッチアップから始まりました。まるで前日のシングルマッチの延長戦のような攻防が繰り広げられます。次にリングインしたのは後藤選手と小島選手。前日の試合をメインから逆再生しているようでした。この日もCHAOSと第三世代が真正面からぶつかり合います。石井選手の強烈な逆水平チョップで小島選手の胸がみるみる変色します。まさに痛みを視覚化しているようです。

個々の力はほぼ互角と言っていいでしょう。しかし、やはりこれは6人タッグマッチ。チームとしての総合力でCHAOSチームが勝りました。最後は後藤選手が小島選手から3カウントを奪い、実に七度目の防衛に成功しました。



石井と第三世代との和解

そもそもこのタイトルマッチの発端は、石井選手が本隊を腰抜け呼ばわりしたことです。これに反応した第三世代が対戦をアピールし、タイトルマッチが実現しました。その後も石井選手を中心にお互いに挑発しあってきました。石井選手やYOSHI-HASHI選手の口撃がヒートアップし、後藤選手がフォローに回るような様子も見られました。普段は共闘している本隊とCHAOSですが、KIZUNA ROAD 2021後半戦は完全にユニットとして対立する構造になっていました。そのため、この日のタイトルマッチ後、以前のように共闘の状態に戻るのか、あるいは手を切るのかにも注目をしていました。

試合後、石井選手が第三世代に突っかかろうとするのをYOSHI-HASHI選手が止めに入ります。しかし、これは挑発したり追撃したりしようとしたのではないことがすぐに明らかになりました。石井選手の方から第三世代に語りかけ、そして握手を求めたのです。石井選手の表情は硬いものでしたが、「お前らは腰抜けなんかじゃねぇよ」という気持ちが湧いたのでしょうか、3人と順番に握手を交わしました。CHAOS内、本隊内における絆だけでなく、CHAOSと本隊の絆も強まったように思います。

 闇の王の登場

試合が終わり、多幸感に包まれた後楽園ホールでしたが、それをひっくり返したのはやはりあの男でした。そう、EVIL選手です。場内が暗転し、その隙にEVIL選手とディック東郷選手がリングイン、後藤選手とYOSHI-HASHI選手を蹴散らした後、石井選手を痛めつけます。最後はEVIL選手のEVILが炸裂し、石井選手が完全にグロッキー状態に陥りました。

この時はまたEVIL選手がディック東郷選手とタッグを組んでNEVER6人タッグに挑戦を表明するのでは、と思っていました。しかし、EVIL選手の目的は別のところにあったようです。この日、リング上で石井選手を襲ったのはベルト挑戦とは全く関係なく、単に石井選手個人への昔年の恨みによるものだったのです。EVIL選手はバックステージで「石井、テメェが目障りなんだよ。サシで潰してやるからな。よく覚えておけ。」というコメントを残していました。

EVIL選手と石井選手といえば、元々は真正面からのパワーファイトを武器にするということでプロレスのスタイルが似ていました。しかし、EVIL選手がBULLET CLUBに加入して以降、かつての正面からの闘いが一変したことは誰もが知ることです。EVIL選手はどうして今になって石井選手にターゲットを絞ったのでしょうか。EVIL選手はBULLET CLUB加入後にIWGPとインターコンチの二冠王になりました。天下を取ったように見えましたが、ベルトを失って以降は目立った活躍を見せていません。EVIL選手はここで石井選手とぶつかることで、かつてのファイトスタイルを取り戻そうとしているのかもしれません。

EVIL選手と石井選手のスペシャルシングルマッチは真駒内で実現するのか、それともエディオンアリーナ大阪か。いずれにせよ、近い将来にこの二人がリング上で向かい合う姿が見られるに違いありません。

他の人気プロレスブログはここをチェック!クリックで応援していただけましたら嬉しいです。


プロレスランキング