ジュニアタッグ前哨戦は挑戦者チームに軍配

ジュニアタッグ前哨戦は挑戦者チームに軍配

7月17日SUMMER STRUGGLE 2021 後楽園ホール大会でIWGPジュニアタッグ選手権試合の前哨戦であるスペシャルシングルマッチが組まれました。徐々に定番化しつつある、タッグタイトルマッチを戦う選手同士のシングルマッチです。

 

スペシャルシングルマッチの価値

タッグ前哨戦としてのスペシャルシングルマッチはまさに一粒で二度美味しい試合形式です。シングルとタッグでは戦い方が違います。シングルで2連勝したチームがタッグでも圧勝するということはありません。また、直後にタッグタイトルマッチが控えているため、スペシャルシングルマッチでは奥の手を隠しつつ相手にダメージを与える戦いになります。この日のスペシャルシングルマッチでも、田口選手は石森選手に精神的ダメージを与え、ロッキー選手はファンタズモ選手の右腕を攻めました。ファンタズモ選手がロッキー選手にサドンデスを決めようとしていた時に、田口選手がタオルを投げ込もうとするシーンもありました。田口選手は、ロッキー選手がこれ以上ダメージをもらうとタイトルマッチに支障が出るということでそのような行動に出たということでした。

田口は苦手石森を克服できたか

前哨戦のスペシャルシングルマッチの成績はタッグタイトルマッチの勝敗には直接影響しないとはいえ、田口選手が石森選手から勝利を奪ったということはタイトルマッチに向けての一つ大きなポイントとして挙げられるでしょう。というのも、これまでの二人の対戦成績は田口選手の0勝3敗でした。2010年のスーパージュニア、2019年のIWGPジュニア選手権、2020年のスーパージュニアと3連敗でこの日のスペシャルシングルマッチを迎えていました。しかも直近の2020年11月18日の試合は、最後の丸め込み合戦で石森選手が田口選手のタイツを引っ張り、半分お尻を出した状態で敗北を喫するという田口選手にとっては屈辱的な試合でした。

この日の試合はシリアスモードでいくと見せかけ、いつものおふざけムーブも織り交ぜながらの戦いでした。最後はやはり石森選手が田口選手のタイツを引っ張り、お尻が露わになりましたが、逆に丸め込んだ上にお尻を石森選手の顔になすりつけながらの3カウントでした。策士である石森選手が策に溺れた敗北と言えます。田口選手にとっては石森選手にシングル初勝利を挙げただけでなく、お尻のお返しをできたということで満足のいく試合だったのではないでしょうか。

 



田口選手が絶対に勝たなければならない理由

スペシャルシングルマッチの第2試合は30分時間切れ引き分けでした。最後、ファンタズモ選手のサドンデスが決まったものの、ロッキー選手がうまく体をずらして急所から外れたのか、カウント2でキックアウトした瞬間に試合終了のゴングが鳴りました。これでこの2人のシングルの対戦成績はロッキー選手の1勝2敗1引き分けとなりました。ただ、ロッキー選手の2敗は2018年10月14日のイギリスでのRPWとの合同興行の時と、2019年6月29日のオーストラリア興行でのタイトルマッチの時です。国内での試合に限るとこれでロッキー選手の1勝1分となりました。

今回、田口選手は是が非でもタイトルを獲得したいでしょう。7月11日の札幌大会でロッキー選手がIWGPタッグへの挑戦表明をした時の田口選手の喜びようから、田口選手が待ち望んでいたタイトル挑戦だということがわかります。というのも、現在のタッグチャンピオンチームは第66代チャンピオンです。すなわち次期チャンピオンが第67代となります。田口選手が狙うのは第69代チャンピオンでしょう。そのためにも第67代チャンピオンになるのが最も近道です。第67代チャンピオンが負けると次のチャンピオンが第68代となりますが、前チャンピオンとしてリマッチを要求しやすい立場にあります。すぐにリマッチでベルトを取り返せすことができれば晴れて第69代チャンピオンとなれます。

現在、固定したタッグパートナーがいない田口選手としては、ロッキー選手の存在は非常に貴重です。ロッキー選手はアメリカにいる期間も長く、なかなかメガコーチズ再結成のタイミングがありませんでしたが、今回は大きなチャンスと言えるでしょう。前哨戦の勢いを東京ドーム決戦に持ち込めるのか、それともチャンピオンチームが意地を見せるのか。どのような結末を迎えるかは誰もわかりません。

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