Lions Roarでオファーを勝ち取るのは?

Lions Roarでオファーを勝ち取るのは?

ファレ道場こと新日本プロレスニュージーランド道場でのトライアウトを舞台にした連続ドキュメンタリーのLions Roarのエピソード11が3月21日に公開されました。次回のエピソード12が最終回で、ここで新日本からのオファーがあった選手が発表される予定となっています。ここでは、これまでのエピソードを振り返り、3人の枠に残るのは誰かを考えてみたいと思います。

第一印象の3人

エピソード1でファレ選手とコジナコーチが話し合っていたシーンがありました。そこで話題になったのは「サモアのでかい奴」のリチャード・ムル(リッチ)選手、「ファイター」のペレニーズ・タイトー(イーライ)選手、そして「オーストラリア出身のハングリー精神のあるやつ」のウォーレン・トーマス・ウォルターズ選手でした。なお、リッチ選手とイーライ選手は従兄弟同士という関係です。ウォーレン選手は35歳の最年長で、これまでにドイツのwXwや日本のWrestl-1のアカデミーに参加したことがありますが、デビューはしていないようです。

この3人の中で、リッチ選手とイーライ選手はロックダウンの際に道場に寝泊まりをする決断をしました。リッチ選手は巨体であり、当初はスクワットやランニングもかなりキツそうな雰囲気でした。ファレ道場ショーケースでは、相撲ルールトーナメントでイーライ選手に敗北しました。プロレスルールでの試合ではティム・ヘイデン選手と対戦し、パワーボムで3カウントを奪って勝利しています。そしてエピソード11ではその成長ぶりにコジナコーチが感心していました。ロックダウン中に道場へ来ることを決断して、そこから飛躍的に伸びたとのことです。引き続きトレーニングしている姿も本人がツイートしています。

イーライ選手は元々キックボクシングやレスリングの経験もあり、十分な基礎体力を持っていました。各種トレーニングにおいてトップクラスの能力を発揮している様子が伺えます。ショーケースでの相撲ルールトーナメントでは、1回戦でリッチ選手、2回戦でウィル選手に勝利しましたが、決勝でダン選手に敗れました。レスリングトーナメントではT選手に勝利しましたが、決勝でやはりダン選手に敗れています。道場での練習においても常に真剣に取り組んでいます。ファレ選手もコジナコーチも話題には出していませんが、イーライ選手の評価は高いものと推測されます。

ウォーレン選手は期待されていましたが、早々に怪我をしてしまいました。トレーニング開始から2週間目の練習中、リッチ選手の体重に耐えきれずに肩を故障してしまったとのことです。そのため、このドキュメンタリーの大半でウォーレン選手は三角巾で腕を吊るした状態です。本人も年齢的にこれが最後のチャンスと考えているようでしたが、肩の状態が思わしくないことからおそらくレスラーの道は諦めるものと思われます。

ロックダウン中に道場行きを決めた4人

ドキュメンタリーの途中でニュージーランドがロックダウンされるという悲劇に見舞われました。レベル4のロックダウンで、買い物など必要不可欠な外出以外は住居内での滞在が求められるという状況です。そのため、寄宿舎と道場の行き来ができなくなります。ファレ選手、コジナコーチは一時的に法を犯すことになるものの、道場に寝泊まりすることでこれを解決しようと試みます。そして道場行きを決めたのはリッチ選手、イーライ選手、ウィル・アヴリル選手、マイケル・リチャーズ(マイク)選手でした。考える時間は4時間しかなかったとのことです。その短時間で道場での寝泊まりを決めたことは、このトライアウトにかける気持ちの面で高く評価されていることと思われます。

ウィル選手は他の選手と比べてもまだ体ができていないようにも見えます。エピソード8のメディシンボールの勝ち抜け戦で最後まで負け続けました。しかし、この3ヶ月のトライアウト期間を通じて怪我で脱落することもなく最終週まで来ています。まだ体のキレはないものの、天性のカリスマ性を評価されているという一面もあります。

マイク選手は途中に怪我で脱落していた時期もありましたが、すでにトレーニングできるまで回復をしています。ヤングライオン杯に参加したこともあるマイク選手はファレ道場での経験が最も長い古株ですが、ファレ選手からは欠点も多いと評価されています。おそらくその欠点の一つに怪我をしやすいという点も含まれているのではないかと思われます。

ファレ&コジナの叱責で道場行きを決めた4人

エピソード10でファレ選手とコジナコーチが寄宿舎を訪れ、寄宿舎に残ったメンバーがカメラクルーを呼び寄せて撮影をさせたことについて叱責をするシーンがあります。そして、寄宿舎に残っている8人に対し、改めてトレーニングのために道場へ行くか、それともこのまま寄宿舎に残るかを選択させました。それにより道場行きを決めたのはジェイク・テイラー選手、アンドリュー・ヴィラロボス(A.V.)選手、トゥマナコ・テイ(T)選手、そしてセバスチャン・マターズ(セブ)選手の4人でした。

ジェイク選手は寄宿舎組のトレーニングを引っ張る立場でもありましたが、カメラクルーを呼び寄せた責任で叱責されています。そしてA.V.選手と共に道場行きを決めました。ジェイク選手とA.V. 選手は新日本の道場でのトレーニングの経験もあることから、新日本の道場で自分がどこまでやれるかや、日本文化もある程度は理解しているものと思われます。

T選手は今回のトライアウトに参加するまでプロレスはおろか格闘技経験もありませんでしたが、トレーニングメニューは順調にこなしています。ただ、本気度がどの程度なのか測りきれないという面もあるようです。また、気分にムラがあってお調子者という部分もあります。それでも、T選手は警備会社に勤務しており、夜勤もこなしつつこのトライアウトに参加し続けていますので、根性という面では問題ないのでしょう。

セブ選手はオーストラリアのインディー団体で活動しているレスラーです。ロックダウン前後に帰国も考えたようですが、国境閉鎖のために帰国できませんでした。それでも、途中で道場へ戻ってトレーニングすることが重要だということに気づき、ロックダウン期間中の後半は道場に寝泊まりをするようになりました。トレーニングを続けるうちに自信もついてきたようです。

途中で脱落した選手

エピソード11では、ダニエル・ジョシュア・プルー(ダン)選手とAJヴィサージ選手が脱落して自宅に戻ったことが明かされています。ダン選手は最年少でありながら身体能力は抜群で、トレーニングメニューをいつもトップでこなしています。ショーケースでは相撲ルールトーナメント、レスリングトーナメントともに優勝していますので、その実力はやはりこのメンバーの中ではトップクラスと言って良いでしょう。しかしながら、精神的に未熟な部分もあるようです。ロックダウン期間中にどうすべきかを判断する際にも自分で決めることができていません。そして最終的に自宅へ戻ることになりました。

AJ選手は途中で肩を怪我しています。体も小さく、体力も十分にあるようには見えません。ヴィサージ選手本人もレスラーではなくレフェリーやトレーナーといった裏方での新日本入りを願っている面もあるようです。実際にショーケースでのプロレスマッチのリチャード・ムル vs ティム・ヘイデンのレフェリーを務めています。このトライアウト後、大学に復学して理学療法士の資格を取る予定です。確かにAJ選手にとってこの段階で寄宿舎に残ってトレーニングを続ける意味はあまり大きくなかったのでしょう。そして、奇しくも3月10日に新日本プロレスからこのような告知がありました。

【受講生を募集中!】新日本プロレストレーナー育成プロジェクト!『新日本プロレスメディカルトレーナー実務研修』を実施いたします!(新日本プロレス公式サイト)

英語サイトにはこの情報が掲載されていません。仮にAJ選手がこの情報を入手できていたとすると、これは最大のチャンスと見て応募してくる可能性はあるでしょう。新日本プロレスのメディカルトレーナーになる数少ないチャンスでもありますし。

引き続き寄宿舎に残った選手

引き続き寄宿舎に残った選手としては、ティム・ヘイデン選手、ロイド・モーガン選手、ミッチ・シューメイカー選手、そしてウォーレン・トーマス・ウォルターズ選手の4人がいます。ロイド・モーガン選手はレフェリー志望で、ショーケースでも2試合を裁いています。また、2016年の新日本プロレスオーストラリア興行の際にもレフェリングをしています。今後はレスラーではなく新日本プロレスのレフェリーとしての契約を勝ち取るために活動していくことになるでしょう

ティム・ヘイデン選手とミッチ・シューメイカー選手はショーケースで怪我をしてしまいました。共にオーストラリアでインディーのレスラーとして活動していますが、この段階ではまだ帰国をすることもできずにいます。怪我をしていたということもありますが、ここで道場行きを決断できなかったことで最終選考から漏れる可能性が大だと思われます。

新日本からのオファーを受ける3人は?

ここまでの状況を踏まえ、新日本からのオファーを受ける選手を予想してみます。

◎ペレニーズ・タイトー(イーライ)選手、リチャード・ムル(リッチ)選手

○ウィル・アヴリル選手

△トゥマナコ・テイ(T)選手、セバスチャン・マターズ(セブ)選手

ジェイク・テイラー選手、アンドリュー・ヴィラロボス(A.V.)選手

おそらく、イーライ選手とリッチ選手は確定かと思います。体力的に精神的にも申し分ないことと思われます。オファーを受けるのは最大で3人ということですので、最終的にはこの2人だけの可能性もあります。仮に3人目が選ばれるとすればウィル選手が最有力だろうと思われます。ただ、レスラーとしての将来性はあっても体力的にまだ難しいとなれば、3枠目に割って入ってきそうなのはT選手とセブ選手かと思います。T選手については体力的な問題はありませんが、本人のやる気が不透明です。最後の2週間でこの面が良い方向に変化していれば3枠目のオファーを勝ち取る可能性はあると思います。また、体は小さいもののセブ選手もオファーを勝ち取る可能性があると思っています。しかしながら、ウィル選手、T選手の動向次第というところもあります。

ジェイク選手とA.V.選手はすでに新日本プロレスの道場でのトレーニング経験もありますので、最終メンバーに残る可能性はゼロではありません。ただ、彼らを評価するコメントは今のところなかったように思います。彼らについてはマイク選手と同様に引き続きトレーニングを続け、将来のチャンスを待つことになるのかなと思われます。

最終的に誰が選ばれたとしても、主役の座を目指して頑張ってほしいものです。1日も早く彼らをリングサイドで、そしてリング上で見ることができることを楽しみにしています。

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