ヒクレオとジェイが激突した先にあるものは?

ヒクレオとジェイが激突した先にあるものは?

3月20日にフロリダ州タンパで開催されたSTRONG興行STRONG STYLE EVOLVED2022でついにヒクレオ選手が動きました。兄のG.o.DがBULLET CLUBを追放された後にその動向が注目されていましたが、ヒクレオ選手はリング上でジェイ・ホワイト選手に喧嘩を売るという行動に出ました。これがどういうことを意味するのかを考えていきたいと思います。

STRONGでのヒクレオ選手

ヒクレオ選手は2019年にNJPW STRONGの配信が開始した当初から、BULLET CLUBのメンバーとしては唯一レギュラー参戦しています。現時点でエピソード83まで配信されていますが、ヒクレオ選手の登場回数は26回に上ります。BULLET CLUBとしては、初期はファンタズモ選手やKENTA選手、そして現在はジェイ選手が頻繁に登場していますが、期間を通じてレギュラー参戦しているのはヒクレオ選手のみです。まさにSTRONGの申し子と言って良いでしょう。

STRONGではフレッド・ロッサー選手との抗争(最後はノーDQマッチに発展)やジュース選手との抗争(テーブルマッチやテキサスブルロープマッチに発展)がありました。どちらも最後はヒクレオ選手が負けて抗争に終止符が打たれた形になりましたが、恵まれた身体と規格外のパワーでSTRONGマットで活躍しています。中でも最もヒクレオ選手が光ったのは、NEW JAPAN CUP USA準決勝のトム・ローラー選手との一戦でした。この試合に負けはしたものの、当時も今もSTRONGでは無敗を誇る最強の王者(実際はこのトーナメントで優勝してSTRONG無差別級王者となったので、対戦時は王者ではありませんでしたが)に対してあと一歩のところまで追い詰めました。それまでほとんど無風状態で勝利を重ねてきたトム・ローラー選手が初めて本当に苦しそうな表情をしたのがヒクレオ戦でした。

そのヒクレオ選手がジェイ選手に噛み付いていきました。その様子は新日本プロレス公式チャンネルで公開されているこの動画を見てもらった方が早いでしょう。

その結果、4月10日にロサンゼルスで開催されるSTRONG興行MUTINYでヒクレオ選手とジェイ選手のシングルマッチが組まれることになりました。

BULLET CLUBの未来

G.o.Dの2人がBULLET CLUBを追放され、本隊入りしました。その時点で態度を明らかにしていなかったBULLET CLUBのメンバーはヒクレオ選手と欠場中のKENTA選手の2人でした。ただ、ヒクレオ選手はG.o.Dの弟ということもあり、兄たちに次いで本隊入りが濃厚かと予想されていました。しかしながら、今回の動画でも確認できるように、ヒクレオ選手は次のように語っています。

“I am the future of BULLET CLUB.”「俺はBULLET CLUBの未来だ。」

“Because BULLET CLUB ist for life.”「なぜならBULLET CLUBは俺の人生だからな。」

この発言からも分かるように、ヒクレオ選手は単に兄たちについてBULLET CLUBを離れてジェイ選手と対立することを選んだのではなく、BULLET CLUBの未来を賭けてジェイ選手に挑戦状を叩きつけたのです。単に年齢だけのことを言うとジェイ選手が29歳、ヒクレオ選手が31歳で、ジェイ選手の方が年下になります。ヒクレオ選手がレオ・トンガとして初めて新日本マットに登場したのは2017年9月7日で、キャリアは4年半ほどです。実際にはその前年の2016年11月12日の新日本プロレスニュージーランド興行の際にファレ道場で修行中だった「ヒクーレオ」選手がヘナーレ選手とシングルマッチを戦っています。

CHARITY PRO KING WRESTLING“ON THE MAT” – 新日本プロレス公式サイトより

それでも、ヒクレオ選手が2017年に本格的にプロレスラーとして新日本マットに上がった時からすでにBULLET CLUBのメンバーでした。まさに「BULLET CLUBは俺の人生」です。兄のタマ・トンガ選手と同じくBULLET CLUBに対するこだわりがあっても不思議ではありません。

ヒクレオが歩む道は?

さて、問題はこの試合の後でヒクレオ選手がどのような決断を下すかです。もちろんヒクレオ選手がジェイ選手に勝利してBULLET CLUBのトップの座を奪うという可能性もゼロではありません。パワーではジェイ選手を圧倒することが予想されますが、それでもここでジェイ選手が敗れることはないでしょう。ジェイ選手に敗れたことで兄たちと同じくBULLET CLUBから追放されてしまうのでしょうか。

ジェイ選手が真っ向勝負でヒクレオ選手に勝利した場合、この先の予測がつきません。ただ、おそらくBULLET CLUBの介入があった上でジェイ選手が勝利すると見ています。確かにこの日の大会では両選手以外のBULLET CLUBの選手は試合が組まれていません。しかし、KENTA選手が思わせぶりなツイートをしています。

I got your back.ということは、つまり「お前を応援してやる」「お前を後押ししてやる」ということでしょう。ただし、これだけではどちら側ということは断定できません。これまでもKENTA選手は思わせぶりなツイートをしてきましたが、まずジェイ派、すなわちBULLET CLUB本流と見て間違いないでしょう。 KENTA選手の介入があってヒクレオ選手が敗れる、あるいは試合後にジェイ選手とKENTA選手がヒクレオ選手に制裁を加えるということは考えられるストーリーです。そしてそれを救出するのがフレッド・ロッサー選手ではないかと思います。フレッド・ロッサー選手は差別やいじめが許せないタチです。G.o.Dは6or9を窓口として本隊入りしたわけですが、ヒクレオ選手はフレッド・ロッサー選手を窓口として本隊入りとなるわけです。こうした救出劇といった展開がない限り、ヒクレオ選手がかつて抗争したジュース選手やフレッド・ロッサー選手のいる本隊にすんなりと入ることはできないでしょう。

4月10日の試合は今のところライブ配信の発表はされていませんので、通常のSTRONGと同様に後日に分割配信でしょう。実際の放送がいつになるか分かりませんが、どのような展開が待っているのかを楽しみに待ちたいと思います。

 

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