海野翔太の海外武者修行3年間の軌跡

2022年11月5日のエディオンアリーナ大阪大会にて海外遠征中の海野選手が登場しました。11月20日の新日本プロレス×スターダム合同興行でオスプレイ選手のUSヘビーに挑戦することも発表されました。3年ぶりの日本マット登場となりましたので、今回は海野選手のこの3年間の軌跡を振り返っていこうと思います。
海野の海外遠征〜コロナ禍に見舞われるまで
ヤングライオン時代の海野選手は海外武者修行にあまり関心を示していなかったように記憶しています。メキシコでの武者修行を熱望していた後輩の辻選手とは対照的です。しかし、その気持ちに大きな変化が生じたのは2019年に開催されたヤングライオン杯でした。この時は野毛道場、LA道場、ファレ道場という3つの道場の対抗戦という意味合いもありました。のげ道場からエントリーした4人の中で海野選手を優勝候補に推す声も大きかったように思います。しかしながら現実にはLA道場勢の勢いが凄まじく、野毛道場勢は劣勢に追い込まれました。それでも、9.22神戸ワールド記念ホールでの最終戦のカール・フレドリックス戦で勝った方が優勝という状況まで残りました。そして結果は敗北、フレドリックス選手に優勝を奪われてしまいました。その試合後、バックステージで次のようなコメントを残しています。
海野「あぁー、負けた…。本当に悔しい。自分の人生において色んな人に負けてきたけど、初めて本気でアイツだけには負けたくないって思わされました。でも、今のままでは絶対あいつから勝てない。お願いします!一から、一から、泥をすすっていつかアイツを必ず倒すから、リベンジするから。オレを、海外遠征につれて行って下さい。今日の負けは絶対に忘れない」
ここで海外遠征の希望を口にし、そして日本から姿を消しました。
海野選手が再び姿を表したのはおよそ1ヶ月半後の2019年11月9日でした。RPWマットに登場した海野選手はカイル・フレッチャー選手と対戦し、敗れています。そして12月15日に同じくイギリスに遠征していたヒクレオ選手とのシングルマッチに挑み、丸め込みで3カウントを奪って勝利しています。ただ、この時はヒクレオ選手の足がロープにかかっていたかどうかという微妙な判定でしたので、完璧な勝利というわけではありませんでした。この試合後に激昂したヒクレオ選手が海野選手をノックアウトしてしまいます。
2020年に入ると1月10日にタッグでヒクレオ選手と再戦し、再び勝利を収めています(ただし直接のピンフォールが地ではありませんでした)。2月1日に再びヒクレオ選手とのシングルマッチが組まれ、ジャックナイフ式エビ固めで海野選手が再び勝利を収めました。その後、RPWを中心にイギリスの団体にも上がり出しましたが、イギリスもコロナ禍に見舞われてしまったことから3月14日のATTACK! Pro Wrestlingでの試合を最後に姿を消してしまいました。
2019年9月22日 ヤングライオン杯で優勝を逃す
2019年11月9日 RPWでのフレッチャー戦で本格的に海外遠征が開始
2019年12月15日 ヒクレオ戦に勝利
2020年2月1日 ヒクレオ戦に再び勝利
2020年3月14日 ATTACK! Pro Wrestlingでの6人タッグ出場を最後にリングから姿を消す
なお、この間で最も絡んだ選手はカイル・フレッチャー選手でした。シングルで2戦して海野選手の2敗でしたが、タッグを結成したことが2回、トリオを結成したことが1回ありました。
RPWマット復帰〜凱旋帰国まで
海野選手がRPWマットに復帰したのはおよそ1年4ヶ月後でした。この期間をどう過ごしていたかは明かされていませんが、おそらく日本に戻っていたのでしょう。
2021年7月4日のメインでリッキー・ナイトJr vs ダン・モロニーのSWEヘビー級王座決定戦が行われ、RKJ選手が勝利しました。この試合後に突然海野選手が会場に現れたのです。そしてマイクを手にし、2つのメッセージを残します。1つはRKJ選手のベルトへの挑戦表明、もう1つは「ウィル・オスプレイ!」でした。
その後、7月18日にダン・モロニー戦でRPWに復帰すると、8月21日にはRKJ選手の持つSWEヘビー級王座(ブリティッシュヘビー級王座)に挑戦し、敗北を喫しました。そして9月からイギリス遠征を開始した辻選手と絡む機会も増え、9月26日にはAussie Open vs 海野&辻という試合も組まれました(敗北)。
海野選手がRPW復帰のタイミングでアピールしたオスプレイ選手と初めて対戦したのは、10月9日にアイルランドのOTTに参戦した時でした。この時はスコッティ・デイビス&辻&海野 vs オスプレイ&Aussie Openという6人タッグで対戦し、敗れています。そしてその翌日のRPWの大会にて、試合後に追撃されるマイケル・オク選手を救出するために海野選手が登場します。しかしここでオスプレイ&Aussie Openの3人の返り討ちに遭いました。そしてその2日後の10月12日、RPWから海野選手の欠場が発表されます。2日前の襲撃により腕を負傷したということでした。
海野選手の怪我が長引くかと思われていましたが、およそ1ヶ月後の11月10日に海野選手からのビデオメッセージが届き、ここでオスプレイ選手への挑戦が表明されました。この試合はすぐに実現することになりました。11月21日にオスプレイ vs 海野のブリティッシュヘビー級選手権試合が行われ、オスプレイ選手は防衛に成功しました。
この間、共にRPWに遠征していた辻選手はThe Legionに入らされてしまいます。そして2022年1月29日には辻選手とのシングルマッチが組まれ、これに勝利しました。辻選手とは敵対関係に置かれたと思いきや、ここから海野&辻のタッグが頻繁に見られるようになりました。
海外遠征出発後、海野選手は新日本プロレス公式からその様子を伝えられることがありませんでした。そして初めて新日本プロレスファンの前に姿を見せたのが、2022年4月16日に開催されたWindy City Riotでした。US of JAYオープンウエイトマッチとしてジェイ・ホワイト選手とシングルマッチを行なったのですが、この時はXとしてのサプライズ登場でした。この試合を終えた海野選手は再びイギリスに戻り、辻選手とのタッグでブリティッシュタッグリーグにエントリーを果たします。
このタッグリーグが開催されている期間に新日本とAEWの合同興行Forbidden Doorが開催され、そこにも海野選手が登場しました。そして7月3日には再びブリティッシュタッグリーグの公式戦に登場しましたが、結果は1勝2敗で決勝戦に勝ち上がることができませんでした。この時の試合後、辻選手から裏切りのスリングブレイドを受け、両者は完全に決裂してしまいました。このタッグリーグ戦を含め辻選手とタッグを組む機会は7回もありましたが、結果は1勝6敗でした。
辻選手とは7月23日にシングルマッチを行なって敗れてしまいましたが、8月20日に行われたストラップマッチではリベンジを果たしています。そして9月4日にはRKJ選手の持つブリティッシュヘビー級王座への挑戦が決まっていましたが、RKJ選手が家庭の事情により欠場したことでこのタイトルマッチは流れました。そしてこの時の代替カードとなったザック・ナイト戦が海野選手のRPWでの最後の試合となっています。
9月11日にSTRONG興行に登場したのち、10月1日にはRoyal Quest IIの初日にオスプレイ選手とシングルマッチで対戦しました。翌日のRoyal Quest IIの2日目にも登場していますが、これが現在までの最後の試合登場となりました。当初は10月9日に仕切り直しでRKJ選手とのブリティッシュヘビー級選手権試合が予定されていましたが、今度は健康上の問題で海野選手が欠場し、代わってゲイブリエル・キッド選手がタイトルマッチに挑みました。
そして11月5日、エディオンアリーナ大阪に登場することになったわけです。
2021年7月4日 RPWマットに登場してマイクアピール
2021年7月18日 ダン・モロニー戦でRPW復帰
2021年10月9日 オスプレイ選手と6人タッグで初対戦
2021年10月10日 試合後の襲撃で腕を負傷
2021年11月10日 ビデオメッセージにてオスプレイ選手への挑戦を表明
2021年11月21日 オスプレイ選手のブリティッシュヘビー級王座挑戦、敗北
2022年1月29日 RPWで辻選手との初のシングルマッチに勝利
2022年4月16日 Windy City Riotにてジェイ・ホワイト選手の対戦相手Xとして登場、敗北
2022年6月26日 AEWとの合同興行Forbidden Doorに登場
2022年7月3日 ブリティッシュタッグリーグ敗退、辻選手に裏切られる
2022年7月10日 PAC選手のAEWオールアトランティック王座に挑戦し、敗北
2022年8月21日 辻選手とのストラップマッチに勝利
2022年9月4日 ザック・ナイト選手とのシングルマッチに勝利、RPW最終戦
2022年10月1日 Royal Quest IIでオスプレイ選手に敗北
2022年10月2日 Royal Quest IIの2日目に登場、凱旋帰国前最後の試合
2022年10月9日 RPWでタイトルマッチが予定されていたが、海野選手が欠場
海野への期待
海野選手は同期で同い年の成田選手とどうしても比較されてしまいます。成田選手は海外遠征中もSTRONGの配信でたびたび新日本ファンの目にも触れていましたが、海野選手はほとんど情報が出されてきませんでした。海野選手の場合はジェイ選手やオスプレイ選手といった新日本プロレスが誇るトップレスラーとのシングルマッチを経て凱旋帰国となりました。特にオスプレイ選手とはすでに2回シングルマッチを行い、凱旋帰国初戦もまたオスプレイ選手とのタイトルマッチです。こうした派手な演出、ビッグマッチという待遇からしても会社から期待されていることがよくわかります。
凱旋帰国1戦目でタイトル獲得はなかなか難しいかもしれませんが、イギリス武者修行の成果をしっかりと見せつけてもらいたいものです。
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