棚橋がIWGP世界ヘビーに挑戦すべき5つの理由

7月25日のWRESTLE GRAND SLAM 東京ドーム大会への出場が危ぶまれている飯伏選手に代わり、棚橋選手が出場するという線が急浮上してきました。まだ正式な決定はありませんが、私はぜひそのようにすべきだと考えています。それにはいくつかの理由があります。
まず前提として、飯伏選手が出場すべき、あるいは欠場すべきということについては単なるファンでしかない部外者の私が語るべきことではないと考えています。飯伏選手は何があっても出場すると主張するでしょうが、医師と会社がGOサインを出さないと出場は難しいのかもしれません。ですので、もし飯伏選手が出場しないならばという仮定もとで、その代役は棚橋選手しかないと思うわけです。
チャンピオン・鷹木信吾の意思
7月25日のIWGP世界ヘビー級選手権試合は、そもそもチャンピオンの鷹木選手が飯伏選手を逆指名する形で決定しました。鷹木選手が「飯伏以外ならば7.25東京ドームでタイトルマッチをやらない!」と主張すれば、それは通ったのかもしれません。しかし、IWGP世界ヘビー級王者として、新日本プロレスの現在の「顔」として、まずは大会を成功させるという強い思いがあるのでしょう、鷹木選手は相手が誰でもタイトルマッチを必ずやると宣言しています。飯伏選手の回復状況が見通せない中で、鷹木選手のこうした姿勢は団体としてもありがたいことでしょう。
理由その1 – 直近の対戦結果
1つ目の理由としては、直近のシングルマッチで鷹木選手に勝利しているからです。鷹木選手は2021年に入ってからシングルマッチでは2回しか負けていません。1回は5月14日のレスリングどんたく2021 福岡国際センター大会でのウィル・オスプレイ戦、そしてもう1回は1月30日のNEW BEGINNING 2021 愛知県体育館大会での棚橋弘至戦です。鷹木選手はタッグマッチでもピンフォールを奪われていません。1月23日の大田区総合体育館で行われたイリミネーションマッチではオーバーザトップロープで失格になっていますが、その相手はやはり棚橋選手でした。半年前の対戦結果からIWGP挑戦を主張することは流石に無理があるとは思いますが、他の選手よりは堂々と挑戦を主張することはできるでしょう。
理由その2 – 当日の対戦カード
既に発表されている対戦カードを眺めてみると、IWGPに挑戦できそうな実績のある選手はほとんど既にカードが組まれています。ゼロベースで考えるならばオカダ選手やコブ選手、あるいは内藤選手やタイチ選手が挑戦するということもあり得ます。しかし公表している対戦カードを提供するという会社としての最低限の責任を考えると、新日本プロレスとしては他の対戦カードに影響を与えない形にしたいはずです。そうすると、これまでの実績で挑戦資格のありそうな選手は棚橋選手以外にEVIL選手、KENTA選手、さらに広げたところでオーカーン選手や後藤選手あたりになるでしょう。ただ、後藤選手では唐突すぎますし、オーカーン選手も視線がKOPWに向いています。また、7月24日の愛知県体育館大会でKENTA選手に勝利しています。したがって、当日にメインにポンと追加できそうな選手は棚橋選手かEVIL選手ぐらいしか見当たらないのが現実です。
理由その3 – NEVER論争のその先
1月30日に行われた鷹木信吾 vs 棚橋弘至のNEVER無差別級選手権試合に至るまでに、鷹木選手と棚橋選手との間でNEVER論争が繰り広げられました。きっかけはこの記事にある通りです。
【新日本】棚橋 NEVERベルトに再起のカギを見いだす – 2021年1月8日 東京スポーツ
当時2冠王だった飯伏選手に対し、棚橋選手は目に見える結果を残せていない状況でした。そこで鷹木選手の持つNEVER無差別級王座に挑戦することでそれを再起のきっかけにしたいと語ったのです。それに対し、鷹木選手はNEVERに対する愛を語っていました。例えば、1月19日のバックステージでは次のようなコメントを残しています。
棚橋もよ、昨日もな、試合後見てたよ。あれだけ愛を叫んでるが、やっぱり偽りなんじゃないか? 俺はな、前にも言ったけど、八方美人は嫌いなんだよ、棚橋弘至。じゃあ、このNEVERに対しての愛情、真心はどこにあるんだ? お前があるのは真心じゃねぇよ。下心だよ、棚橋。NEVERに恋してるぐらいじゃ、獲れないぜ。NEVERに対して真心があるのは、俺だけだ。以上、ひとつだけだ。(新日本プロレス公式サイトより)
一方の棚橋選手は、同じく1月19日のバックステージでNEVERにこだわる鷹木選手に対して次のようなコメントを残しています。
鷹木、無茶苦茶カッコいいな。無茶苦茶カッコいい。無茶苦茶説得力あるよ。けどね、NEVERは俺にとって目的ではない。手段だから。獲ったらまた変わるかもしれないけど、鷹木に言いたい。そのNEVERの先のベルトは見てないの? いっぱいベルトがある、そういう時代です。けど、1番を目指さないと。これが俺の意見です。(新日本プロレス公式サイトより)
ここで棚橋選手の言う「NEVERの先のベルト」とはもちろんIWGPヘビー級(当時)のベルトです。結果的に鷹木選手がIWGP世界ヘビー級王者になったというのもまた面白い因果です。
理由その4 – 鷹木と棚橋の約束
1月30日のNEVER無差別級選手権試合で棚橋選手が鷹木選手を下した後、鷹木選手が足を引きずりながら棚橋選手に近づいてきました。そして鷹木選手は棚橋選手の肩に掛けられているNEVERのベルトをポンポンと叩き、両手でベルトを掴んで棚橋選手に託すような仕草を見せました。そして目があった瞬間、2人が同時に指を1本立て、「もう1回」とアピールしあったのです。2人の舞台はNEVERではなくなりましたが、今こそその約束をはたすべき時なのかもしれません。
理由その5 – 苦境の時こそエース
IWGP世界ヘビー級王座は呪われたベルトなのかもしれません。統一を主張し、初代王者となった飯伏選手が一度もベルトを腰に巻くことがないままに王座から陥落すると、二代目チャンピオンのオスプレイ選手は怪我のために王座返上となりました。そして今回、初代王者であり挑戦者の飯伏選手の出場が危ぶまれる状態です。コロナ禍とは関係ないところでIWGP世界ヘビー級王座をめぐる悲劇が繰り返されています。これは新日本プロレスとしても全くの想定外の事態でしょう。困った時にはエースではありませんが、現在の新日本の象徴である太陽のエースが立ち上がることに何の違和感もありません。当日にカードが組まれていなかった、前日のメインを締めることができたなど、まるで棚橋選手に代役を務めろと言っているような状況です。こうなると、先のNEVER論争や、その後NEVERのベルトを腰に巻かなかったことなど、全てがこの伏線として繋がってきます。もちろんこれらは偶然でしょうが、運命の巡り合わせが棚橋選手のIWGP世界ヘビー戴冠へと向かっているのかもしれません。
果たして新日本プロレスはどのような決断を下すのでしょうか。
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