YOHが復活するためには何が必要か?

YOHが復活するためには何が必要か?

ジュニアタッグリーグはそれぞれのチームが3試合を終えたところで、各チームの明暗がはっきりとしてきました。しかし、単純な勝ち点だけでそれぞれのチームを評価するのが難しいのも現状です。

期待の持てる敗北

この日のメインイベントは田口&ワト vs SHO&YOHでした。2敗チーム同士の対戦でしたが、結果は田口&ワトの勝利で、SHO&YOHは3連敗となりました。勝ち点6のチームが出てきましたので、この時点でSHO&YOHの4連覇の可能性は完全に潰えました。勝ち点6の2チームは直接対決を残していますので、この試合がノーコンテストとならない限りは現時点で勝ち点2の田口&ワトが優勝する可能性もありません。有償の行方はロビー&タイガー、石森&ファンタズモ、そしてデスペラード&金丸の3チームに絞られたと言ってよいでしょう。

しかし、勝ち点が伸びていないからと言って、必ずしも評価が下がるわけではありません。東郷&外道は未だに勝ち点0ですが、かつてジュニア戦線を盛り上げたレジェンドのタッグです。名前だけで出ているわけではなく、十分に動ける上に、随所に抜群のインサイドワークやテクニックを披露して会場を盛り上げています。歓声は出せないものの、東郷選手がコーナートップに立っただけで会場が非常に湧いている様子がよくわかります。最終戦でダイビング戦トーンを決めて勝利することがあれば、普段はスポイラーとして無言のブーイングを浴び続けている東郷選手に対して大きな拍手が投げかけられることでしょう。技を出すか出さないかだけで盛り上げられる、超一流のレスラーの証だと思います。そして、このチームは負け続けながらもその価値を下げていない、むしろその価値や期待感を上げ続けていると言っても過言ではありません。

価値を上げると言えば、ここまで1勝2敗の田口&ワトにも同じことが言えるでしょう。試合では田口監督のおふざけに付き合うというワト選手の新たな一面を見せるだけでなく、試合では相変わらずの身体能力の高さを披露しています。8月8日の試合後のバックステージで、石森選手が次のようなコメントを残しています。

石森「ワト、お前は成長が止まってねえか、フハハハ! ちょっと身体能力が抜けてるだけじゃ、俺たちには通用しねえぞ。飛んだり跳ねたり、カッコいい形だけ追求してもな、プロレスの要っつうのはそういうものじゃねえんだよ。お前もな、よ~く考えろよ」(新日本プロレス公式サイトより)

ここで石森選手がワト選手に対して「身体能力が抜けている」と評しています。石森選手も高い身体能力を持っていますが、ワト選手にはそれとは違った質の身体能力、つまり、ハイフライヤーとしての能力の高さが目立ちます。そしてこの日もコーナーポスト越えのノータッチトペコンヒーロを披露しました。こうした姿を見せられると、仮に試合で負けたとしてもその期待感はさらに高まる一方です。

一方、SHO&YOHについては負けるべくして負けているような状態です。解説席や対戦相手が酷評をしているという部分を差し引いても、観客の期待値は下がってきているものと思われます。



YOHの取るべき道は?

YOH選手はバックステージでその苦悩を吐露しています。例えば8月8日のバックステージコメントは次のようなものでした。

YOH「(※座ったままうつむき)……ごめん。なんか、この感覚っていうか、なんだろう!?って。何が違うんだろう!?って。俺にはさ、熱がないのかな!?って(感じる)。でも、そういうことじゃなくてさ、でも違っていて、見えないんだよ…。遠くの未来も…近くの未来もさ…。なんかもう…(※フラフラと立ち上がり)ごめんね…。ホントにさ…わかんねぇんだよ…(※と言い残して先に立ち去る)」(新日本プロレス公式サイトより)

何に悩んでいるのか、それは本人にもはっきりとわかっていない様子です。同期のSHO選手とは海外遠征時も一緒、凱旋帰国してからもジュニアタッグ戦線で共に戦ってきました。YOH選手はSHO選手とタッグを組み続けている自分に悩んでいるのでしょうか。しかし、それではタッグを解消して別ユニットに、ということがベストな道とは思えません。苦悩を抱えているという部分はかつてのトーア・ヘナーレ選手と共通する部分です。そのヘナーレ選手はアーロン・ヘナーレとしてユナイテッド・エンパイアに加入しました。SNSではYOH選手のエンパイア入りを熱望する(というよりは3K解散を熱望すると言ったほうがいいかも?)ファンの方も一定数いるようです。もちろんそうしたユニット間の移動があれば新鮮な対戦カードを見ることができますし、リング上を活性化することもできます。しかしながら、そうした道はYOH選手の望むところでは無いように思います。最近まで同じマンションに住んでいたということですので、プライベートでも本当に仲が良いのでしょう。さらにCHAOSもファミリーのようで居心地が良いとなると、YOH選手がユニットを移るというメリットは(YOH選手にとっては)ほとんどないように思います。ただ、以前から言われていた「3Kはマンネリだ」という批判も本人の耳に入っているのかもしれません。3Kでいたい自分と、3K決別を望む声との間で揺れ動いている可能性もあります。

おそらく、3Kを解散せずに立て直していくには、しばらくの間YOH選手が単独で海外遠征に出るしかないように思います。幸いなことにYOH選手が欠場中にSHO選手はシングル戦線で存在感をアップさせました。YOH選手も海外でしばらくの間シングルプレーヤーとして実績を残した上で、改めて3Kとしてタッグ戦線に乗り込んでいくのがいいかと思います。タイチ選手はよく「(デンジャラステッカーズは)タッグ屋じゃなくてそれぞれがシングルでも実力があるから強い」という内容のことを述べています。それはある意味では3Kに対する当て付けなのかもしれません。シングルで活躍してきたSHO選手に対し、復帰後いきなり大舞台を用意されてそれをものにできなかったYOH選手という、ある種のバランス崩壊が見られるように思います。これを打破するためにも例えばYOH選手がアメリカ遠征を行い、ジョシュ・アレキサンダー選手からX-ディヴィジョン王座を奪ってくるぐらいのことをすれば自信を持ってタッグ戦線にも再度乗り込むことができるのではないでしょうか。9月のSTRONG興行には田口監督や石森選手、ファンタズモ選手も参戦するようですので、同じようなタイミングでYOH選手も渡米する可能性もあるのかもしれません。いや、私はそれを期待したいです。

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