元ヤングライオンの現在地(海野、成田、上村、辻)

8月1日の壮行試合を経て、辻選手と上村選手は海外遠征に出発しました。これで海外遠征中の日本人の元ヤングライオンは海野選手、成田選手を含めて4人となりました。それぞれの現在地を確認しながら、今後の展望を予想したいと思います。
海野翔太
海野選手はイギリスに遠征し、RPW(レボリューション・プロレスリング)に参戦しています。誰かとタッグを組むこともありますが、基本的にはシングルマッチを中心にマッチメイクされています。2020年前半にはヒクレオ選手との抗争がありましたが、コロナ禍でしばらく試合から離れていました。2021年7月の興行から再びRPWのリングに上がっています。現在のRPWのリングではトップ選手の1人として扱われているようです。8月21日にRPW9周年興行がありますが、そこでリッキー・ナイト・ジュニア選手の持つブリティッシュヘビー級王座に挑戦することになっています。記念興行でのおそらくメインイベントになりますので、人気、実力ともにトップクラスであると捉えていいかと思います。なお、以前にこちらの記事(【RPW】RKJがブリティッシュヘビー級王者宣言!オスプレイの復帰は? – プロレス生活)でも触れましたが、RPWの管理する最高峰のベルトはブリティッシュヘビー級王座はややこしい状況になっています。私は王者が2人、すなわちウィル・オスプレイ選手とリッキー・ナイト・ジュニア選手がいるという認識です。団体としてはオスプレイ選手の復帰を待つ(ベルト剥奪はしない)、サウスサイドヘビー級王者だったリッキー・ナイト・ジュニア選手は自分がブリティッシュヘビー級王者として宣言し、団体としてもそれを半ば認めている状況です。ボクシングでいう暫定王者のような感じかと思います。そして、RPW公式TwitterのQ&Aで以下のようなやりとりもありました。
Think the answer between RKJ, Shota, Moloney & Maxted will be pretty clear after our 9 Year Anniversary show next Saturday in Manchester. https://t.co/57cFfOI7GM
— Revolution Pro (@RevProUK) August 13, 2021
質問者:「現在、イギリスにはタレントがたくさんいます。オスプレイに本格的に挑戦をし、ベルトを保持できるのは誰だと思いますか?」
回答:「リッキー・ナイト・ジュニア、海野翔太、ダン・モロニー、マクステッドの4人の回答は、来週の土曜日にマンチェスターで行われる9周年記念興行後にはっきりすると思います。」(翻訳:フロ)
この日はリッキー・ナイト・ジュニア vs 海野翔太のタイトルマッチ、ダン・モロニー vs アダム・マクステッドのシングルマッチが組まれています(下の写真では「ブリティッシュヘビー級タイトルマッチ」と表記されていますね)。
そしてそれぞれの試合の勝者が次のタイトルマッチを行うという流れなのかなと推測します。いずれにせよ、この4人が現在のRPWシングル戦線のトップにいるということでしょう。
成田蓮
成田選手はSTRONGに参戦していることもあり、国内のファンの目に最も晒されています。位置付けとしてはLA道場所属のヤングライオンと言えるかもしれないのですが、試合での扱いはすでにLA道場を卒業したコナーズ選手と同等と言ってよいと思います。成田選手の試合を見てみると、技や動きがヤングライオンの時とあまり変わっていない印象です。体は一回り大きくなっていますので、技の威力やキレは増しているのでしょうが、見た感じは強いヤングライオンです。そう、おそらくそれが成田選手の目指すところなのではないかと思います。実際にシングルマッチでベイトマン選手やミステリオッソ選手、クリス・ディッキンソン選手、ロイス・アイザックス選手に勝利するなど、着実に力をつけていることがわかります。柴田選手曰く、成田選手は道場での練習の時はさまざまな技を使うけれど試合では使わないということです。まさに研いだ牙を隠しつつ、ヤングライオンのままトップ戦線に入っていこうとしている状態です。一方で、柴田選手は成田選手が突き抜けたものを見せない限り日本に返さない旨のことを語っていました。成田選手が牙を剥き出しにし、STRONGマットで無双し始めると凱旋帰国も近いのかなと思います。
上村優也
上村選手は現地時間8月14日(日本時間8月15日)のロサンゼルス有観客興行RESURGENCEへの参戦が発表されています。リオ・ラッシュ選手、ブロディ・キング選手、クリス・ディッキンソン選手、フレッド・イェハイ選手とのタッグでチームフィルシート対戦します。STRONGで唯一の明確なヒールユニットとの全面対決に抜擢されたということは、上村選手はアメリカ本隊として戦っていくことになるでしょう。そしてその上村選手の旅立ちの様子がYouTubeで公開されています。
この動画では、永田選手、本間選手、棚橋選手、ワト選手、SHO選手の姿が確認できます。そして棚橋選手とともに車に乗って空港に向かった様子が捉えられています。おそらく棚橋選手も同じ飛行機でアメリカに向かったのだと思われます。アメリカに渡っていきなりヒールターンということもなさそうですね。STRONGだけに参戦するのか他団体にも参戦するのかはまだわかりませんが、アメリカでいろんな選手と対戦する中で自分のキャラクターを確立させていくことでしょう。また、この動画の中で目標は105キロと語っていましたので、ヘビー級のレスラーとして戻ってくることが期待されます。
辻陽太
辻選手は海野選手と同じRPWに参戦することが発表されています。
YOTA TSUJI IS COMING!
Saturday September 4th, Sheffield & beyond! https://t.co/LhHedYxXS8 for tickets pic.twitter.com/c2pYx3UckO— Revolution Pro (@RevProUK) August 9, 2021
本人の希望しているメキシコとは異なりますが、現在のCMLLはゴタゴタしているようですので仕方ないところですね。ところで、辻選手本人からはまだ何もコメントはありませんし、上村選手を見送る動画にも出てきません。辻選手は寮生活をしているはずですので、この場にいないのは不自然とも言えます。すでにイギリスへ出発してしまっている可能性もありますが、それならばなぜ上村選手にはこのような見送り動画が作られ、辻選手は作られないのでしょうか。上村選手に関しては本間選手らがSNSでコメントをしていましたが、辻選手の旅立ちに関するコメントを見たことがありません(私が見落としているだけかもしれませんが)。まだ国内にいるのならばこの場に出てこないことも不自然です。
考えられるのは、イギリスでヒールとしてデビューするということです。RPWの公式TwitterのQ&Aでこのようなやりとりがありました。
It’s inevitable as some point they will clash in the UK but there’s nothing specific signed at present https://t.co/Jo6JQdMi35
— Revolution Pro (@RevProUK) August 13, 2021
質問者:「近い将来に海野選手と辻選手が試合をする予定はありますか?」
回答:「いつかはイギリスでの衝突が避けられませんが、今のところ特別な契約はありません。」(翻訳:フロ)
RPWではシングルマッチで戦った相手と次の試合でタッグを組むということも珍しくありません。その意味ではお互いがどのような関係にあっても対戦をする可能性はあるでしょう。ここでinevitable「不可避である」という表現を使っていることからもわかるように、少なくとも両者がユニットを組むということはなさそうです。かといってヒールになるとは限りませんが、可能性は半々ぐらいなのかなと推測しています。また、RPWでは100キロを超える明確なヘビー級の選手はあまりいませんので、ヘビー級の辻選手の瞬発力をもってするとかなり早い時期にトップ戦線に絡んでくる可能性もあると思っています。
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