武藤vs蝶野以来37年ぶりの新人同日デビュー対決

2021年8月24日、後楽園ホールに2頭のヤングライオンが産み落とされました。大岩陵平選手と藤田晃生選手が同日デビューを果たしました。2021年2月14日にデビューした中島選手と合わせ、新日本プロレスのヤングライオンは3人となりました。
後楽園ホールでの同日デビュー
8月23日に発表されたのは、翌日の8月24日、第1試合で2人のヤングライオンがデビューするというニュースでした。この2人が初めてファンの前に姿を現したのは、7月1日の後楽園ホール大会でした。プロレス生活でもその時のことを記事にしています。
この時はすでにデビューをしている中島選手と練習生2名ということで記事にしていました。その2人が晴れて新日本プロレス所属のヤングライオンとしてデビューをしました。昭和の時代(おそらく平成の前半あたりまでも同じかと思いますが)、新人は地方会場でひっそりとデビューしていたように聞いています。最近のレスラーの多くは東京かその近郊でデビューしていますが、それでも後楽園ホールデビューとなるとそれほど多くありません。直近では中島選手、そしてその前はというと吉橋伸雄選手(2008年7月6日デビュー)や岡田かずちか選手(2007年8月26日プレ再デビュー)まで遡ります。もちろん、現在はコロナ禍の状況のため後楽園ホール大会が非常に多くなっている時期ですので、コロナ前と簡単に比較することはできません。しかし、どのような状況であっても、聖地後楽園ホールでデビューできるということは非常に幸せなことだと思います。
また、同日デビューというのも久しくありませんでした。直近では1999年10月10日、やはり後楽園ホールで行われた柴田勝頼vs井上亘が最後で22年ぶりのこととなります。しかし、柴田選手と井上選手はすでにプレデビュー戦を済ませていたので、純粋なデビュー戦としては1984年10月5日の武藤敬司vs蝶野正洋以来で、実に37年ぶりとなります。
大岩と藤田の戦い
2人のデビュー戦は非常に見応えがあるものでした。もちろんまだ多くのことはできませんし、荒削りな部分も多く見られます。ヤングライオン末期の辻vs上村のような試合はもはやヤングライオン同士の試合としては完成されていた、ある意味ではそれを超越していたとも言えますが、大岩選手と藤田選手の戦いではこれぞヤングライオンという試合を見ることができました。両者ともレスリングの経験者ですので試合はグラウンドの攻防が中心でしたが、エルボーでお互い意地を張り合う場面も見られ、10分間があっという間に過ぎていきました。
デビューしたてのヤングライオン同士の対戦は、これまでも時間切れ引き分けということが多くありました。典型的なのは辻選手と上村選手です。両者は2018年4月23日に初対戦でしたが、ずっと引き分け続きでなかなか勝敗がつきませんでした。ようやく決着がついたのは、実に1年後の2019年4月13日、22試合目のことでした(この時は辻選手が勝利)。小松選手(YOH選手)と田中選手(SHO選手)も初対戦から引き分けが8試合続き、9戦目にて小松選手が初勝利。その後15引き分けを挟んで25試合目で田中選手が初勝利でした(この時点で1勝1敗23引き分け)。比較的早く決着がついたのは海野選手と成田選手で、4戦目にて海野選手が勝利を収めています。
そして、リングサイドから鋭い目でこの試合を見つめていたあの選手を忘れてはなりません。そう、中島侑斗選手です。中島選手はデビュー日で言えば大岩選手、藤田選手よりも半年間先輩になります。しかしリングに上がったのはその時のわずか52秒だけです。3人の中で先頭を走っているはずが最後尾になってしまった、その悔しさはなんとも言い表せないでしょう。しかし中島選手も体は仕上がってきていますので、近く復帰戦が組まれることでしょう。その後はこの3人の三つ巴の闘いが続きます。この3人のうち、誰が最初に勝利を挙げるのでしょうか。第一試合から目が離せません。
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