SHOがBULLET CLUB入りで目指すものとは?
- 2021.09.05
- 新日本プロレス
- BULLET CLUB, HOUSE OF TORTURE, SHO

メットライフドーム二連戦のメインイベント、IWGP世界ヘビー級選手権試合に登場したEVIL選手は、予告通りディック東郷選手、高橋裕二郎選手、そしてSHO選手を引き連れてリングへと向かいました。
そこにある違和感
この日のメインイベントは、王者の鷹木信吾選手に対して挑戦者のEVIL選手他3人という状態になりました。ヒールユニットのセコンド介入というのは昭和の時代からある典型的な行動パターンではありますが、やはりそこにSHO選手がいるということがどうにもしっくりきませんでした。例えば邪道・外道選手やこの日もセコンドにいたディック東郷選手であれば、もともと選手兼マネージャーのような形で帯同していることが多いことから特に違和感なく介入を受け入れることができます。また、高橋裕二郎選手は現役レスラーではありますがかつてのような肉体はなく、G1にエントリーされたものの白星配給係が予想されるような位置付けの選手です。覇者で王者の三冠王の手下として動くことには違和感がありません。しかしながら、SHO選手は新日ジュニアを代表するバリバリのトップレスラーです。そのSHO選手がセコンドとして試合に介入し、そして蹴散らされるという小悪党のような存在となってしまっていることに大きな違和感を覚えました。YOH選手を裏切ったのは自分にとって利用価値が無くなったからと語っていましたが、それではBULLET CLUBに、ひいてはHOUSE OF TORTUREに利用価値があるのかというとそれも疑問です。少なくともこの日のメインイベントを見ているとSHO選手の小悪党然とした姿が、本当にSHO選手が望んでいる姿なのかと思いました。
王座を防衛した鷹木選手もバックステージで次のように語っていました。
鷹木「SHOだけは残念だな。残念というより気の毒だよ。あいつらは上っ面の関係だから。」(引用ここまで)(新日本プロレス公式サイトより)
SHO選手にとって鷹木選手は目標とすべき選手でした。鷹木選手が2018年10月8日に初めて新日本マットに登場したときは8人タッグマッチでSHO選手が鷹木選手にフォールを奪われています。その時から両者の物語はスタートしました。これまでのシングルマッチの対戦成績は鷹木選手の2勝1敗です。SHO選手の1勝はすでにヘビー級に転向し、NEVER無差別級王座を保持している時の鷹木選手から奪ったものです。しかも丸め込みでの勝利ではなく、バチバチにやり合い、最後はショックアローからの3カウントを奪っての勝利でした。体のサイズもさほど変わらず、そしてファイトスタイルも似ている選手ということで、SHO選手は鷹木選手から学ぶことも多くあっただろうと思います。さらに上を目指したいならば鷹木選手と手を組む、すなわちL.I.J.に入るという手段もあったはずなのですが、SHO選手が選んだのはBULLET CLUBでした。
SHOが狙うのはIWGPタッグ?
SHO選手はただ単に闇落ちしたのではなく、そこに何かしらの利用価値があるからこそユニットを移籍するということを選んだはずです。そうでなければYOH選手を裏切った理由との辻褄が合いません。ただ単にYOH選手が煙たくなったということであれば、YOH選手をCHAOSから追放するという手段も考えられましたが、SHO選手がCHAOSから出ていくという結果になりました。
今後、この日のメインイベントでのようにEVIL選手の試合にちょっかいを出すだけの存在であれば、移籍した理由が全くありません。ではBULLET CLUBに、ひいてはHOUSE OF TORTUREにどのような利用価値があるのでしょうか。いくつか理由を考えてみました。
まず最初に思いつくのが、IWGPタッグのベルトです。BULLET CLUBにはGoDという新日本を代表するタッグチームがあります。しかし、メンバーはたくさんいるのに、常時稼働しているタッグチームは他にありません。World Tag League 2020にはGoD以外にEVIL&裕二郎、ファレ&オーエンズの2チームが参加していました。しかしながら、ともに3勝6敗と大きく負け越しています。SHO選手はEVIL選手のパートナーとしてWorld Tag Leagueにエントリーし、その先にあるIWGPタッグのベルトを狙っていく可能性があります。2019年9月27日のアメリカ興行でSHO選手はYOH選手とのタッグでGoDの持つIWGPタッグに挑戦した経験があります。本来のSHO選手が目指していたのはまさにこのような試合、すなわち、ジュニアでありながら無差別級の戦いだったのではないでしょうか。しかしYOH選手が弱体化し、ジュニアタッグすら狙えない状況になったためにSHO選手はYOH選手を見限った、そしてその視線の先にあったのはEVIL選手とのタッグだったという可能性もあります。この日のメットライフドーム大会でIWGPタッグの3WAYマッチが行われました。結果はタイチ&ザックが防衛となりましたが、これでIWGPタッグに挑戦する候補となるチームがいなくなったとも言えます。ある意味ではEVIL選手とのタッグでIWGPタッグ挑戦を狙うという方向性は間違ったものではないように思えます。
HOUSE OF TORTUREとしての他団体参戦はあるか?
次に考えられるのは、HOUSE OF TORTUREとしての他団体参戦です。SHO選手はGLEATの旗揚げ戦に単独で参戦しましたが、それ以降の交流はありません。それにはGLEATのUWF興行は旗揚げ戦以降開催されていないということも関係しているのかも知れません。しかし純プロレスルールでの興行は行われており、どこかの段階でSHO選手が再び参戦するのではと予想されています。ここにSHO選手が参戦する場合、やはり単独での参戦ではなくチームとし参戦する方がストーリーに幅を持たせやすいですし、GLEATとしてもマッチメイクの幅が広がります。ここにHOUSE OF TORTUREが新日本を代表する形で参戦することで、初めてGLEATを観戦するファンにとってもわかりやすい構図を示すことができます。一方、新日本プロレスファンとしてはEVIL選手らが他団体に参戦したらやはり彼らを応援するのではないかと思います。そうしてHOUSE OF TORTUREが新日本プロレスファンにとってダークヒーロー的な存在となり、BULLET CLUBと分裂してベビーフェイス化する・・・とここまでいくと考えすぎなのかもしれませんが、小ユニットとして他団体参戦は考えられなくもありません。
SHO選手がBULLET CLUB入りを選択した理由はすぐには明らかにならないと思われます。しかし、この選択がSHO選手にとって良い結果につながることを祈るばかりです。
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