タッグ王者がG1を制する可能性は?

G1 CLIMAX 31のAB両ブロックともに2試合目まで公式戦が進みました。高橋裕二郎選手の大金星、内藤選手の欠場など何かと話題の多い大会ですが、注目点の1つにタッグ王者の快進撃というのも挙げられるでしょう。ザックセイバーJr.選手、タイチ選手ともに2連勝と波に乗っています。
タッグ王者とG1、1.4東京ドーム
タッグ王者はG1を制覇できないというのがこれまでの通説でした。そして実際にタッグ王者がG1を制したことは過去に1回だけしかありません。2002年のG1 CLIMAX 12では天山選手とともにIWGPタッグ王者だった蝶野さんが優勝しています。この時の蝶天タッグは1年以上もタイトルを防衛し続けていた時期です。
そして、G1覇者がタッグ王者として1.4東京ドーム大会を迎えた例としては、2004年の天山選手(2003年のG1覇者)、2006年の蝶野選手(2005年のG1覇者)の2回だけです。ただし、これらの例はG1を制した後にタッグ王者となっていますので、タッグ王者としてG1を制したわけではありません。
もともとIWGPタッグ王者とG1というのは相性が悪いということもできます。そして2012年以降はG1覇者にIWGP挑戦権利書が授与されることになったことから、G1覇者とIWGPタッグ王者の両立が困難になってきたといえます。2006年以降は1.4東京ドーム大会でIWGPタッグ選手権試合も組まれることになっていたということも大きな理由です。
さらにいうと、タッグ王者とシングル最高峰のベルト(IWGPヘビー、IWGP世界ヘビー)の相性もよくありません。というよりも、同時期にシングル戦線とタッグ戦線の双方でトップ戦線を走っていたのは第三世代まででした。2021年のG1出場者の中で、IWGPとタッグの双方を巻いたことがあるのは、内藤選手、飯伏選手、棚橋選手、EVIL選手の4人だけです。しかしEVIL選手はBULLET CLUB入りしてからはタッグ戦線から退いています。内藤選手がSANADA選手とともにタッグ王者だった期間はあまりに短すぎました。また、裕次郎選手とともにタッグ王者だった時期はまだシングルでトップ戦線にいたわけではありません。
この辺りはどうしても会社の都合もあるのでしょう。ビッグマッチではシングルとタッグのタイトルマッチを入れたいとなると、どうしても1人の選手がシングルとタッグの同時戴冠となるようなチャンスを与えにくいという事情があろうかと思います。ただ、2020年以降、風向きが変わってきたように思えます。
WRESTLE KINGDOM 2連戦
2020年は1.4、1.5東京ドーム大会が開催されました。それが2021年も継続され、さらに2022年は1.8横浜アリーナ大会も追加され、WRESTLE KINGDOM が3連戦となりました。2020年と2021年はIWGPヘビーとインターコンチのベルトの統一が東京ドーム2連戦のテーマでしたが、2022年はそれぞれの日で別のテーマが設定される可能性があります。例えば1.4のメインがIWGPタッグ、1.5のメインがIWGP世界ヘビー、1.8のメインがIWGPジュニアのタイトルマッチのようになるかもしれません。こうなると、以前は難しかったシングルとタッグそれぞれで東京ドームのメインを張ることが可能となります。
タイチ選手が常々主張しているのは、「俺たちはタッグ屋じゃなく、強いシングルプレーヤーがタッグを組んでいるだけだ」ということです。シングル戦線においてはこれまでタイチ選手がNEVER無差別級、ザック選手がブリティッシュヘビー級のベルトを巻いてきました。しかし最高峰のIWGPのベルトは両者とも巻いたことがなく、ザック選手が2018年に王者のオカダ選手に挑戦したことがあるだけです。しかしここにきて両者ともにG1 CLIMAX 31で結果を残してきています。新日本プロレス公式サイトのG1決勝カード予想では、ザック選手6.4%、タイチ選手7.7%でそれぞれブロック4位となっています。しかしAブロックに関していえば、半数近い票を集めて(47.1%)トップに立っている内藤選手は欠場になりましたし、18.1%でAブロック2位の鷹木選手にザック選手は勝利を収めています。仮に現時点で同じ予想アンケートを取れば、ザック選手はかなりの票を集めるのではないでしょうか。
ザック選手は飯伏選手、タイチ選手はEVIL選手との公式戦が次にやってきます。少し気の早い話ではありますがここで勝利を収めて三連勝となれば、両者ともに決勝進出が見えてきます。シングルプレーヤーとしても実力のあるところを見せつけてもらいたいものです。
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